2022 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Analyses on the Mexican Paradox of Economic Growth and Global Value Chains
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22K01454
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
内山 直子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (90738577)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | メキシコ / ラテンアメリカ / 経済 / GVC / 自動車産業 / 日系企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、北米自由貿易協定(NAFTA)に代表される北米グローバル・バリューチェーン(GVC)の一員として経済成長を目指してきたメキシコが、2000年以降、いわゆる「経済成長のパラドックス」に陥っていると指摘される現象について、GVC理論を用いた実証分析によってその要因を解明することを目的とする。 その端緒として、数年前からメキシコにおけるGVCの代表格である自動車産業に関する全メーカー・車種別生産及び輸出に関するデータを用いた動向分析をおこなってきた。特に、2010年代の日系自動車産業進出ブームを背景とした日系自動車メーカーのパフォーマンスの変遷に注目し、特に2016年以降のパフォーマンス低下に関し、一般に言われているようないわゆるトランプ・ショックではなく、2014年以降に起きた米国でのシェールオイル革命を背景とするガソリン価格の低下とそれに伴う米国の消費者の大型車を好む選好の変化が要因であったことを実証した。その成果を"The (Possible) End of the Expansion Boom of the Japanese Automobile Industry in Mexico, and the COVID-19 Pandemic"と題する英語論文にまとめ、2022年11月のラテン・アメリカ政経学会第59回全国大会企画セッション『ラテンアメリカにおける貿易と経済発展』(於:神戸大学)において報告するとともに、メキシコの査読付き学術誌Mexico y la Cuenca del Pacificoに投稿し、掲載が決定した(2023, forthcoming)。 今年度以降は、国際産業連関表やメキシコ国内の企業パネルデータおよびイノベーションに関する調査を利用した実証分析に向けた準備を本格化させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年前の准教授昇任により、本務校における学内業務負担が増加し、研究に割くまとまった時間の確保が以前より困難になっている。当初の計画では、GVCに関する先行研究レビュー及びGVC関連の指標を作成し、2年目以降の計量分析に向けての準備を行う予定であったが、進捗は遅れ気味であるといえる。今年度はこれらの作業に優先的に取り組むとともに、可能であればメキシコでの現地調査も行いたい。 しかしながら、これまでの研究成果を英語論文にまとめ、海外の査読付き学術誌に掲載が決定したことは評価できるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、当初の計画ではGVCに関する先行研究レビュー及びGVC関連の指標を作成し、2年目以降の計量分析に向けての準備を行う予定であったが、遅れが生じているため、今年度はまず、これらの作業を完了させ、メキシコの付加価値貿易およびGVC内の役割に関するする現状とその変化を確認する予定である。その後、可能であればメキシコ及びラテンアメリカの企業レベルのパネルデータを用いた産業および企業レベルの生産性分析に向けた準備を行う予定である。 同時に、夏休み等の長期休暇を利用し、メキシコ現地における聞き取り調査も行いたいと考えている。
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