2022 Fiscal Year Research-status Report
Impact Evaluation of Behavioral Interventions to Encourage Long-Term Adoption of Eco-Friendly Agricultural Technologies for Small Scale Farmers in Developing Countries
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22K01478
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
後藤 大策 広島大学, IDEC国際連携機構:CEPEAS, 教授 (80432847)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 行動介入 / 効果検証 / 環境保全型農業 / フィールド実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
途上国農家の技術採用においては,他人の知識や経験から学ぶ社会的学習を踏まえた行動介入の効果検証が近年急速に展開され,科学的知見が積み上がりつつある.これらの研究は,農家による技術の新規採用行動に焦点を当てており,短期的な観点から行動介入の設計と効果の検証が行われてきた.しかし開発の持続可能性を考慮した環境保全型農業技術の採用においては,短期的な観点のみならず,いかにその採用行動の継続を促すかといった長期的な観点からの行動介入の設計とその効果の検証が強く求められる.そこで本研究では,途上国の小規模農家に環境保全型農業技術の長期的な採用を促すために,社会的学習を踏まえた行動介入の長期効果や,その介入効果を維持・増進させるための社会的コミットメント・メカニズムの併用効果を,フィールド実験手法を用いて明らかにする.この研究目的を達成するために,次のような5つの主要な研究課題を設定した. [1]2018 年に行ったフィールド実験研究の追跡調査,[2]ベースライン調査と介入の無作為割当,[3]フィールド実験における介入開始,[4]短期フォローアップ調査,[5]長期フォローアップ調査 2022年度は,[1],[2]に主眼を置いた研究活動を実施した.具体的には,現地における茶生産農家の家計行動調査を2022年11-12月にかけて行い,行動介入の基礎となるデータベースを構築した.また同時に,各農家の農地の土壌検査を行い,土壌の劣化状況に関する科学的結果を農家に知らせることが,彼らの有機肥料導入・使用を促進するかという行動介入フィールド実験のパイロットを実施した.今後は得られた予備的結果を精査し,本実験のデザインを調整,最終化する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の理由により,おおむね順調に進展していると評価した. (1)ベトナム北部農村における茶生産農家の家計行動調査を円滑に実施できた. (2)当初の計画にはなかったベトナム茶生産農家を対象とした複数のList実験を,家計行動調査に含めて実施できた.これにより茶生産農家のバイアスの少ない真の行動情報に近い関連データを入手し,行動介入デザインを改善することができた. (3)行動介入に関連するフィールド実験を別の文脈においても展開し,多くの結果を得た.これらを研究成果として取り纏め,国際会議で報告した.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度(2年目)は,本研究の中核を成す研究課題[2],[3],[4]に取り組み,質の高い独自の実験データを獲得する.効果的に研究活動を展開するために,次の工夫を行う. (1) 現地大学の協力・支援を得てフィールド実験の展開・実施を推進する. (2) 暫定的な実験結果を速報値として取り纏め,国内外の研究会やワークショップで積極的に報告し,参加者からの助言やコメントを募り,それらをフィードバックすることで更なる改善とレベルアップを図る.
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