2022 Fiscal Year Research-status Report
Structural estimation on the statistical learning model : Application on the competition and social policy for the digital economy
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22K01485
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
黒田 敏史 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (80547274)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 統計的学習 / サーチ理論 / 組織の経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
企業が消費者需要を学習し、最適化する市場の特徴を分析すべく、申請時点で取得していた2020年までの携帯電話の個標データ、並びに研究費申請後に別途取得した2021年の携帯電話の個標データのクリーニングを行った。また、2022年度の調査設計、調査の実施を行った。2020年以降の供給側のデータについては未整備であるため、今後整備を行いたい。その他、携帯電話市場の供給側の市場構造を規定する制度について、特に指定電気通信制度、電波利用料制度、電気通信事業報告規則についての学習を行い、制度についての理解を深めた。
これら携帯電話市場のデータ整備のほか、AmazonのWebサイトにて消費者行動の学習のために行われたであろう一時的な消費者への消費者レビューの提示方法の変化を発見した。この発見を活かすため、当該事例に関連した消費者レビューの定量分析について文献調査を行い、実験室実験を実施した。実験の結果、消費者レビューの情報提示方法の変化が消費者行動に与える影響は材カテゴリ毎に異なっている事を発見した。この違いが需要側の性質としてサーチコストなどで説明が可能かを検討するとともに、供給側の性質について検討するための市場データを用いた分析の可能性について検討した。
このほか、株式投資型クラウドファンディング事業を実施する企業からデータ提供を受け、企業による消費者行動の探索を共同で実施することとなった。データ分析の需要、分析結果がどう企業内部の意思決定に利用される現場を観察することが出来ており、外部からの観察では得がたい知見を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りのデータ取得・分析状況にあると考えている。また、科研費では予定していなかった市場データ・企業内部データの取得ができており、幾つか分析できそうなテーマを発見している。
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Strategy for Future Research Activity |
データについては想像以上によく集まったため、今後は取得済みのデータを構造モデルを構築して推定を行うに値する発見が得られそうかを、既存のliteratureや記述統計や誘導型の分析結果を通じて検討し、よりインパクトの大きな発見に繋がりそうなテーマの選定を行い、モデリングを行う。
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Causes of Carryover |
コンピュータの購入を検討していたが、夏季より実験室実験の実施を検討し、そのための予算が確保できるよう消耗品等の購入を先送りした。実験室実験の設計に十分な期間をかけたため、実験自体は2月から3月にかけてクジを用いた誘因両立性のある調査設計として実施を行った。クジを用いているため、支出額は調査実施後に決まる設計になっている。調査は無事に終了し、現在クジの確定結果に基づいた謝礼の配布を進めており、2023年度の費用として支出する予定である。
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