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2022 Fiscal Year Research-status Report

ガソリン市場における市場支配力と価格変動への影響に関する実証的研究

Research Project

Project/Area Number 22K01493
Research InstitutionFukushima University

Principal Investigator

佐藤 英司  福島大学, 経済経営学類, 准教授 (90707233)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords燃料油価格激変緩和措置 / 不完全なパススルー / 余剰変化
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,日本のガソリン市場で価格へ影響を与えうる特徴的な要因と思われる(1) 上流市場におけるコストショックのパススルー,(2) 合併の効果,の2点について,日本のガソリン市場関連データを収集・整理した上でミクロ計量分析の手法を用いて実証的に分析することである.今年度は,(1) 上流市場におけるコストショックのパススルーに焦点をあてて研究を行った.具体的には2022年より発動された燃料油価格激変緩和措置に着目した.これはガソリン元売に補助金を与える政策であり,ガソリン元売に対して限界費用低下をもたらすことになる.そこで,このガソリン補助金が小売価格へどのような影響を与えたのかを実証的に分析することとし,関連するデータを収集・整理した.その上で寡占市場のモデルを構築し,モデルを推定した.その結果,上流市場におけるコストショックのパススルーは不完全であり,補助金額ほどは小売価格が減少しないことがわかった.また,推定されたパラメータをもとに補助金政策による余剰変化も計算したところ,1兆円以上社会的余剰が減少したことがわかった.これらの研究結果を論文として現在,執筆している段階である.
また,これと並行し,(2) 合併の効果についても分析を行うためにデータの収集を開始した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上述のように,本研究課題で大きく着目する2点のうち(1)上流市場におけるコストショックのパススルーについては燃料油価格激変緩和措置に焦点をあてて,関連するデータの収集・整理,寡占市場のモデルの構築の上で,統計的な推定を行った.ある程度,推定結果が固まったので,現在,論文執筆段階になっている.
次年度はこの執筆した論文を学会などで報告し,より精巧な論文として完成することが期待できる.

Strategy for Future Research Activity

今年度はおおむね順調に進展しているので,当初予定通り研究を進める.
次年度は,本研究課題で大きく着目する2点のうち(1)上流市場におけるコストショックのパススルーについては英文学術雑誌への掲載を目指し論文をより緻密なものにし,投稿する予定である.
また(2)合併の効果についても研究の準備を行う.具体的には先行研究の検討とデータの整理およびモデルの検討を行い,可能であれば統計的な推定を行いたい.

Causes of Carryover

主に,2点ある.第一に,今年度中に論文を執筆し終えて,英文校閲の依頼をする予定であったものの統計的な推定結果を固めるのが少し遅れ,今年度中の英文校閲依頼に間に合わなかった.第二に,次年度からの研究にむけて関連するデータの絞り込みが遅れた.それにより,データの整理・収集依頼が遅くなり,次年度へ継続することとなった.

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Published: 2023-12-25  

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