2022 Fiscal Year Research-status Report
Impact of Trade on Industry-Level Output
Project/Area Number |
22K01494
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒川 義教 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (50338224)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 貿易 / 産業レベル産出量 / 差別的影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、2015年の99か国・20製造業のデータを用いて、国レベルの貿易が産業レベルの産出量に与える影響を実証的に推定して、二つの問い (i) 国の貿易は産業レベルの産出量を有意に増加させるか? (ii) その影響は同質産業よりも差別化産業の方が大きいかに答えることである。 令和4年度は、第一段階として実証分析及び論文を仮完成させ、第二段階として国内の学会で研究経過報告を行いフィードバックをいただいた。そのフィードバックを元に論文の修正を繰り返した。 本研究の付加価値は以下の通りである。 (1) 貿易と成長の実証文献に貢献する。第一に、過去の貿易と成長に関する実証研究は国レベルの産出量への影響を分析してきたのに対して、本研究は産業レベルの産出量への影響を分析する。これにより、産業間での不均等な影響が分析可能となる。第二に、Rauch (1999) に基づく産業の差別化指標を、Frankel and Romer (1999) の回帰式の産業レベルバージョンに導入する。これにより、同質産業よりも差別化産業において、より影響が大きいかどうか推定することができる。 (2) 制度 (institutions) と成長の文献にも貢献する。第一に、制度の違いが経済成長の違いの重要な要因の一つであることは知られていたが、本研究でも制度が成長に有意な影響を与えることを確認する。第二に、本研究は貿易が制度の代替的な成長要因となることを示す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、実証分析及び論文を仮完成させ、国内の学会で研究経過報告を行いフィードバックをいただいた。そのフィードバックを元に論文の修正を繰り返した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は論文を完成させた後、英文校正、査読付き海外ジャーナルへの投稿の順で進めて行く予定である。
|
Causes of Carryover |
当初の計画では、外国での学会への出張を令和4年度に予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で外国学会への出張を断念し、外国旅費が未使用となった。 令和4年度の未使用額は、主に外国旅費として令和5年度に使用する予定である。
|