• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

育児休業制度の理論モデルの開発ならびにその応用

Research Project

Project/Area Number 22K01518
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

宮崎 浩一  広島大学, 人間社会科学研究科(社), 教授 (80749713)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords休業制度の義務化 / 労働市場 / ジョブ・サーチ / 資源配分の効率性 / 一時的な休業・休職
Outline of Annual Research Achievements

本年度は労働市場におけるサーチ・モデルをベースとして, 個人が出産や育児などで一時的に職を離れなければならない状況が起こるモデルを構築しその分析を行った。先進国では出産・育児休業が政府によって義務付けられていることを考慮し, 制度が政府によって義務付けられていることを経済学的に正当化できないかどうかを理論的に検証した。
モデルを分析したところ, 企業が独自に休業制度を設けたくないような状況でも, 休業制度を義務付けることによって社会全体の資源配分が効率的になるような状況があることが示された。この結果の背後にある理由は以下の通りである。個人が一時的に休業せざるを得ないような状況で企業がそのような労働者を採算が合わないという理由で解雇してしまうと, 労働市場において効率性の観点から見て過剰な失業者が生じてしまうことになる。休業制度が存在することで休職者は休業明けに同じ職場に戻ることができ, 再び職探しをする必要がない. よって, 休業制度の義務化は労働市場における過剰な失業者を減らす効果があり, それによって効率性の改善につながっているのである。
これまで出産・育児休業制度の存在意義は男女の賃金格差の是正などミクロ的な視点から正当化する文献は充実していたが, 本研究のようなマクロ的な視点, さらには解析的な研究手法によるものはほとんどなかった。このような状況を考えると, 本研究で得られた結果は当該分野において重要な成果であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ジョブ・サーチ・モデルをベースとしたモデルを構築し, 理論的な分析をすることができ, 英語論文としてまとめることができたので, 概ね順調であると考えてよいと思う。

Strategy for Future Research Activity

本研究を学会や研究セミナーで発表し, フィードバックをもらうことでさらに洗練された研究へとつなげたいと考えている。また, その後は国際学術誌への投稿・掲載をしたいと考えている。また, 本研究では研究の困難さから考慮することができなかった部分等も含めた新しいモデルの構築・解析を行いたいと考えている。

Causes of Carryover

コピー機のトナーがまだ残ったことや英文校正費用が予想より安価に済んだため、次年度使用額が生じた。また、コロナ禍ということもあり、出張等に頻繁に行くことができなかったことも一因である。
次年度使用額は次年度の助成金と合わせて、備品の購入や学会等への参加費として使用したいと考えている。

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi