2022 Fiscal Year Research-status Report
Demand and Supply Factors and the Maturity Structure in the Japanese Government Bond Markets
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22K01583
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小枝 淳子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30549275)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 国債市場 / イールドカーブコントロール / 金融政策 / 国債管理政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では、2013年に開始された量的質的緩和政策(QQE)により長期国債の購入が行われ、さらに2016年以降はイールドカーブコントロールが実施されています。また、我が国の債務水準は、平成以降慢性的な財政赤字が続いた結果非常に大きくなり、他国と比較しても特異な状況となっています。毎年の借換債も大規模であり、国の債務管理負担が大きい状況です。このような背景を踏まえると、将来の金利リスクや金利動向を分析することは重要です。 本研究では、一見見えにくい国債市場における潜在的なリスクについて、また金融政策や国債管理政策が金利に与える影響について、複数の金利モデルを使用して分析を行っています。具体的には、ネルソンシーゲルモデル、無裁定金利モデル、マクロファイナンスモデル、特定期間選好モデル等を使用しています。 2022年度には、日本国債の満期構成データベースを構築し、この情報や国債利回りデータを活用して特定期間選好モデルの推計に取り組んだ研究を公表しました。さらに、ネルソンシーゲルモデルにおける減衰ファクターの時変性に注目しながら、長期にわたる低金利環境下でのイールドカーブの分析についての研究を公刊しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に学術論文を1本公刊している。加えてワーキングペーパー2本を改定している。活発な学会などでの報告も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、マクロファイナンス期間構造モデルや特定期間選好モデルを改良し日米のデータを使って検証し、その成果を国内外で報告し、さらに洗練させていく予定です。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で旅費が抑えられたため。
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