2022 Fiscal Year Research-status Report
本邦株式市場における近年の市場構造と投資家行動の変化:金融面の各種施策の影響
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22K01584
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
篠 潤之介 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (30822217)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 金融・ファイナンス / 海外機関投資家 / GHG / 日本銀行 / ETF / 貸株市場 / 資産価格モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、(1)「スチュワードシップ・コード(SC)およびコーポレートガバナンス・コード(CGC)策定に伴う本邦株式市場の構造変化」、(2)「日本銀行の資産(ETF)買入れ政策が本邦株式貸借市場に与える影響」、(3)「日本銀行の資産(ETF)買入れ政策のアナウンスメント効果、および資産価格モデルを用いた効果の測定」の3トピックを分析対象としている。 (1)については、主要な分析を2021年度にRIETIで発表した後、研究・分析を進め、2022年度に初稿が完成。同年6月のファイナンス学会で発表を行った。また、本分析から得られた分析上の知見を活かした新たな研究として、企業の温暖化ガス(GHG)排出と銀行貸出の関係についての分析に着手。BISのワーキングペーパーを公表した。 (2)については、1本目の論文が英文学術誌に掲載された。また、2本目の論文の主要な結果が一通りそろい、主要な結果について日本ファイナンス学会、証券経済研究所、一橋大学などでプレゼンを行った。共著者も神戸大学やEconometric Society北米年次ミーティングなどで研究発表を行った。そこでの議論や得られたコメントを反映して、現在はワーキングペーパーとなる初稿を作成している。 (3)については、1本目の論文が英文学術誌に掲載された。2本目の論文については、BISのワーキングペーパーとして公表された。共著者と分担しつつ、Econometric Societyの北米大会、アジア大会、証券経済研究所、ファイナンス学会などで発表を行った。ファイナンス学会では、若手奨励論文として選出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記(1)については、(2)(3)を優先的に進めたため、幾分遅れている。(2)(3)は計画を上回るペースで進捗している。 以上より、全体としてみると、研究は当初計画対比、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記(1)については、ワーキングペーパーまたは学術論文の公表を目指す。(2)(3)については、国際学会での発表、今年度中の学術雑誌への投稿と、1次審査の通過を目指す。
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Causes of Carryover |
既存データを用いた研究の進捗を優先させたため、支出額が計画を下回った。次年度以降は新規データの購入、研究結果の位置づけや貢献を明らかにするために必要な書籍購入、研究成果の発表のための出張費用に充当させる予定。
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Research Products
(8 results)