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2023 Fiscal Year Research-status Report

戦前期日本の銀行資本金と経営行動:銀行パネル・データベースの構築と分析

Research Project

Project/Area Number 22K01602
Research InstitutionAichi Gakuin University

Principal Investigator

三浦 一輝  愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (70711159)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) つる見 誠良  法政大学, 比較経済研究所, 研究員 (10061227)
早川 大介  愛知大学, 経済学部, 教授 (40613980)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords自己資本 / 合本銀行 / ミクロデータ / 銀行行動 / 資本構成 / 利益配分 / 戦前期
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題の目的は、戦前期日本の銀行のミクロデータを整備し、銀行の自己資本が果たす役割を解明することである。銀行の自己資本は、どのような役割を果たしていたのか、また経営行動はどのようなものだったのかについて明らかにする。本年度は、(1)初年度から継続である明治期の全国の銀行財務データの整理と拡張を進めた。当初の研究計画の通りに『銀行通信録』などに掲載されている主要勘定項目の整備をおこない、さらに銀行の属性などを表す項目も追加した。このデータセットは、明治期の銀行に関する先行研究と比較して、銀行数が最も多く時期を最も遡ることができるものとなっている。(2)(1)のデータから経営指標を作成して明治期の銀行の経営行動を明らかにした。先行研究がマクロデータ(銀行データの集計値)を用いた分析にとどまるのに対して、本研究はミクロデータを用いたアプローチをおこなうことで、経営指標の時間的変化だけでなく、特定の属性を持つ銀行の経営行動の特徴など詳細な情報を知ることができる。どの地域の銀行が貸出原資として預金と株式資本金をもっていたのか、株式銀行と非株式銀行ではその行動に相違があったのかについて研究を進めた。(3)(1)とは異なる項目が収録されているミクロデータを用いて、預金銀行化の動因は何であったか、収益・費用構造はどのようであったかについても研究を進めた。(4)地域経済と銀行の関わりはどのようであったかをケーススタディから分析した。(2)(3)(4)については、学会および研究部会で報告することが決まっている。(5)銀行のガバナンスを明らかにするために、地方の中小銀行を中心に「営業報告書」など史資料を入手しデータの整理を進めた。(6)研究メンバー全体で情報共有を図るため定期的にミーティングをおこない、関連研究の動向や必要なデータの収集・分析方法等に関して議論をおこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの研究の進捗状況は、「おおむね順調に進展している」といえる。当初の計画では、本年度は研究体制を整えたうえで(1)戦前期日本の銀行のミクロデータの整備と拡張をおこない、(2)普通銀行の経営行動に関する実証分析をおこなうこととしていた。(1)について、複数年度の『銀行通信録』に収録されている全国銀行の主要勘定のデータなど、その整備を予定通り進めた。データの元となる史資料の記載に一部、不明な点や誤記などが残っているため、その修正作業をおこなっているが次年度以降の計画に支障が出るものではないと考える。また、地方の中小銀行を中心に「営業報告書」など史資料を収集してきた。これについても内容を確認しながら整理し順次入力を進めている。(2)については、「研究実績の概要」にも示したように研究代表者、研究分担者がそれぞれの研究テーマについてミクロデータを用いた記述的分析を進めてきている。検討すべき点も残されているものの、全メンバーで定期的に研究ミーティングをおこない、関連研究や課題などを共有し解決したい。それらの成果は次年度に日本金融学会や学会の部会などで公表することが決まっている。

Strategy for Future Research Activity

次年度も基本的に当初の研究計画通り進める。明治期の銀行行動について理論的検討と実証分析をおこなっていく。「研究実績の概要」に示した研究テーマについて学会報告や研究会での報告を複数おこなう。まずは日本金融学会や歴史部会などである。そこでのコメントをふまえながら学術雑誌に投稿する予定である。定期的なミーティングをおこない、課題などの情報を共有していく。

Causes of Carryover

前年度と同様に、予定していた出張やデータの作成に掛かる費用等に変更が生じたためであるが、全体としては当初の研究計画に変わりはなく、次年度に合わせて適切に使用する計画である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 明治・大正期の奥多摩の零細銀行─氷川銀行・小丹波銀行を事例に―2023

    • Author(s)
      早川大介
    • Journal Title

      多摩のあゆみ

      Volume: 191 Pages: -

    • Open Access
  • [Journal Article] 書評 高槻泰郎編『豪商の金融史 廣岡家文書から解き明かす金融イノベーション』2023

    • Author(s)
      早川大介・須賀博樹
    • Journal Title

      ヒストリア

      Volume: 298 Pages: -

  • [Presentation] 地方銀行の自己資本と経営行動:戦前期の多摩を事例に2024

    • Author(s)
      早川大介
    • Organizer
      日本金融学会歴史部会
  • [Presentation] 銀行の自己資本と利益:明治期の『銀行通信録』決算公告分析2024

    • Author(s)
      つる見誠良
    • Organizer
      日本金融学会歴史部会
  • [Presentation] 明治期の銀行業における自己資本と経営行動の変化:銀行ミクロデータを用いた分析2024

    • Author(s)
      三浦一輝
    • Organizer
      日本金融学会歴史部会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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