2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K01608
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
長廣 利崇 和歌山大学, 経済学部, 教授 (60432598)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 企業家 / 徴兵制 / 格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,戦前期日本の徴兵経験を持つ者のキャリア分析を行うことである。具体的には、徴兵経験がキャリアにとって,有利に働いたか不利に働いたかを検討するのみならず、個々人の家庭環境・経済環境・修得技能・パーソナリティなどを吟味した上で、偶然的要素も含めた幅広い見地から徴兵制の及ぼす個人のキャリアへの影響のコンテクスト(文脈)を読み解くことである。 当該年度は第1年目のため,今後の研究を進めていくための基礎作業をおこなった。第1に分析データを構築した。具体的には,企業家の伝記・自伝などから生年・出生地・学歴・職業履歴などとともに徴兵経験の有無,徴兵経験の記述をデータ化した。第2にデータ構築に必要な文献を収集した。具体的には,資料館,国立国会図書館などにおける文献閲覧に加えて,古書店等から文献を購入した。第3に徴兵制度,日本の経済史・経営史に関する文献を収取した。 構築したデータを通して,帝国大学などの高等教育を受けた者,義務教育もしくは高等小学校を修了した者との間における,徴兵制に対する態度,徴兵制の職業への影響を分析することができる。こうしたデータ分析とあわせて,いつかの特徴のある人物を取り上げて,データ分析のみでは欠落する個別動向を把握できるように準備した。とりわけ,個別の特質を明らかにすることは,国際的に重要視されている徴兵経験者のライフコース研究とのつながりを築くことが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響によって,閉鎖や入館制限されている資料館があり,資料調査が制約されたため,「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
構築したデータの確認をし,文献収集をさらに進めて,データを再整備する。そのデータを用いて,徴兵経験の職業への影響を探る。また,個人情報保護による制限が予想されるが,徴兵経験者のより詳細な情報が記載されている第一次資料の発掘にも従事する。
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Causes of Carryover |
次年度に新型コロナウィルス感染症の影響が小さくなると予測されたので,調査旅費を残したため。
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