2024 Fiscal Year Research-status Report
日本植民地化直後の台湾における日本人雑貨商の経営に関する実証研究
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22K01621
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| Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
平井 健介 甲南大学, 経済学部, 教授 (60439221)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 経済史 / 台湾 / 辰馬商会 / 日本帝国内貿易 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本植民地化直後の台湾に進出した日本人商業者が、駐留軍・官庁に需要された財・サービスをどのように供給したかを実証的に解明することにあり、兵庫県の西宮を拠点とする酒造家「辰馬本家酒造」が台湾で開業した雑貨店「辰馬商会」の一次史料を分析することで、①辰馬商会の台湾進出と定着の過程、②台湾を植民地経済へと再編するための「基礎工事」が、辰馬商会の企業活動に与えた影響、の2つを考察する。 2022-23年度にかけては①について考察し、台湾において様々な財・サービスに対する需要が増大していく過程や、辰馬商会の企業活動の実態を解明する一方で、辰馬本家酒造が辰馬商会の設立を決定するに至った経緯については考察が十分でないという課題を抱えていた。 そこで、2024年度は辰馬商会の設立経緯についてさらに調査・分析を進めたほか、辰馬商会以外の事例を収集するために、九州歴史資料館において、辰馬商会と同時期に台湾に進出した「鎮西商会」に関する資料を調査・収集するなどした。その結果、軍や総督府との関係の有無が台湾進出に大きく影響していた可能性が高いことが分かった。以上を踏まえて、社会経済史学会全国大会においておよび東アジア近代史学会において「日本帝国内貿易の黎明-植民地化直後の日本・台湾間貿易- 」と題する研究発表を行った。そして、学会でのコメントを踏まえて『社会経済史学』に論文を投稿し、査読の結果「条件付き掲載可」の判定を受けた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象のうち、辰馬商会の台湾進出と定着の過程の解明について、査読雑誌への論文掲載に目途がついたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
台湾を植民地経済へと再編するための「基礎工事」が、辰馬商会の企業活動に与えた影響について解明するために、国内外で資料調査を実施し、資料分析を進めていく。
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| Causes of Carryover |
史料の翻刻や研究補助に要する謝金が想定してようには必要なかったため。2025年度は、史料翻刻や研究補助を雇用する予定であるため、謝金が生じる。
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