2022 Fiscal Year Research-status Report
組織理論のミクロ的基礎づけに依拠した戦略的人的資源管理研究の展開
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22K01654
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三崎 秀央 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (30312763)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 人的資源管理 / SHRM / 組織理論のミクロ基礎づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、SHRM(戦略的人的資源管理)研究の欠点を補足するために、近年注目されている「組織理論のミクロ基礎づけ」に依拠したHRM(人的資源管理)研究の枠組みを構築することである。具体的には、①日本企業の経営スタイルの変化に伴い、HRM施策がどのような変化をしているのか、②HRM研究の枠組みにおいて、HRM施策(マクロレベル)が個人レベル(ミクロレベル)の行動・態度に影響を与え、さらにそれが組織レベル(マクロレベル)の成果に繋がるという「組織理論のミクロ基礎づけ」の理論枠組みの有効性を示すこと、③説明力の高い尺度を探索し、継続的調査に耐える再現性の高い枠組みを構築すること、の3点を目的としている。 本研究の背景には、我が国で進行するダイバーシティ、WLB、働き方改革などを軸とした旧来の人的資源管理のスタイルの見直しの動きがある。本研究はこれらの変化が労働条件の改善という意味合いもさることながら、経済合理性という観点からも合理的なものであると捉え、その変化を分析枠組みの有効性を測定する好機であると捉えている。 今年度は、企業と従業員の両方から得た2つの大規模サンプルのデータを分析した。第1のデータは、WLB施策の推進と従業員の働き方が企業の営業利益率に与えるネガティブな影響を明らかにした。第2のデータからは、戦略とHRMの適合が日本企業の営業利益に与える影響を分析し、日本企業の戦略とHRMが必ずしも適合していない状態を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、いくつかの調査を実施し分析を進めている。当該年度は2つの学会報告を行い、HRMが企業業績に与える影響について分析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的通り、日本企業の近年のHRM施策の変化をとらえつつ、HRMが企業業績(もしくは利益責任単位や組織単位の業績)に影響を与えるパスについて、より詳細な調査・分析を試みる。
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Research Products
(3 results)