2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on the relationship between technological changes and design changes
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22K01668
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
森永 泰史 京都産業大学, 経営学部, 教授 (10405649)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | デザインの典型性と新奇性 / 技術の変化 / デザインの変化 / 成果の中身 / 対立と棲み分け |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、主に先行研究の収集とその整理を行った。具体的な手順として、まず、学術文献データベースの EBSCOとCiNiiを用いて、design(デザイン)とtechnology(技術)を軸に、aesthetics(エステティクス)、prototypicalityおよびtypicality(典型性)、newness(新奇性)、innovation(イノベーション)などのキーワードと組み合わせて論文を検索し、その中から経営学あるいはマーケティングや消費者行動論に関連する論文を30本抽出した。さらに、日比(2017)やEisenman(2013)、Rindova and Petkova(2007)などのデザインと企業経営をテーマにしたレビュー論文を用いて補足し、合計35 本の論文を抽出した。最後に、そこから技術の変化とデザインの変化との関係に焦点を当てている実証研究を10本取り出し、それぞれの研究にいう技術やデザインの変化、成果とはいったい何を指し、それらをどのように測定しているのかを整理した。その上で、先行研究では、数ある技術やデザインの変数のうち、何と何を選んで組み合わせ、どのような成果の有無を確かめようとしてきたのかを明らかにし、現時点では、それぞれの研究の内容が互いに棲み分け可能なものであることを確認した。その研究成果を目下、論文の形にしたためているところである。 なお、それらの研究を収集・整理する過程で、先行研究ではそもそも、消費者がデザインを見て典型性や新奇性を認知するメカニズムをはじめ、典型性や新奇性がもたらす効果の中身や、それらが発揮される際のメカニズムなどについて体系的な整理がなされていないことが明らかになった。そのため、上記の課題(技術の変化とデザインの変化の関係に焦点を当てた先行研究のレビュー)と並行して、それらも整理することにした。この研究成果も目下、論文の形にしたためているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は5年間の1年目にあたる。当初の計画では、今年度のうちに文献整理を終え、収集した二次データを整理し終えることを目標としていた。そのうち、前者の文献整理については、上記の「研究実績の概要」のところでも述べたように、概ね達成している。ただ、後者の二次データの整理については、文献整理に時間をとられ(先行研究の不備による意図せざる作業の発生)、ほとんど着手できていない。そのため、次年度も、この作業を継続して行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、「現在までの進捗状況」のところでも述べたように、引き続き二次データの収集と整理を行う予定である。そして、先行研究と矛盾した結果を示す事例や主張が確認された場合はさらに、それが既存の統制変数や調整変数の違いで説明がつくかどうかを確認する。説明がつかない場合は、そこが次なる調査対象となる。また、先行研究があっても単一の事例しか存在ない場合は、異なる条件のもとでの事例の収集が必要になるため、そこも次なる調査対象となる。これらの作業を通じて、追加で収集すべき事例のリストを作成していく。
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Causes of Carryover |
計画上は0円となるはずであったが、書籍代金の端数が切り捨てられた結果、1円の余りが生じてしまった。この1円は、次年度の書籍代金として使用したい。
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