2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K01669
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
本間 利通 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (90461128)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 職業コミットメント / 組織コミットメント / 役割外行動 / 役割コンフリクト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織及び職業に対するどのような関わり方が専門職の役割外行動を促進するのかについて明らかにすることである2023年度は、前年度に作成した組織コミットメント尺度および職業コミットメント尺度を用いて、薬剤師を対象としたアンケート調査を行った。調査の目的は、専門職の役割外行動と組織コミットメントおよび職業コミットメントの関係を明らかにすることである。アンケート調査に先立ち、ヒアリング調査に基づいて、薬剤師と事務職の連携尺度5項目を作成した。新しく作成した尺度と、改善した組織コミットメント尺度および職業コミットメント尺度を用いて、どのような組織および職業への関わり方が事務職との連携に影響を与えるかを探索的に確認した。組織コミットメント・職業コミットメントのいずれも情緒的コミットメント・存続的コミットメント・規範的コミットメントの3要素から測定した。情緒的コミットメントは感情に基づく関わり方として、存続的コミットメントはコスト・ベネフィットの知覚に基づく関わり方として、規範的コミットメントは義務感に基づく関わり方として測定した。前年度の改善により、薬剤師が置かれた環境に関する認識を尋ねる項目を取り入れた。組織コミットメント・職業コミットメントの存続的要素をより適切に測定するための文言の修正も行なった。改善した尺度用いた調査を3社で行ない、いずれも3要素として測定することが妥当である解釈できる結果を得た。連携尺度については改善の余地がある結果となった。引き続きヒアリング調査を行なうことで、尺度の改善を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織コミットメント、職業コミットメントの3要素モデルの測定尺度は、調剤薬局に勤務する薬剤師版として、頑健性のある結果を得ることができた。薬剤師と事務職員の連携尺度については、課題が残る結果となったが、おおむね順調に進展していると考える。専門職と、事務職員の連携として一般化して検討するための理論基礎の作成への貢献について、一定の進歩を得たと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、専門職の役割外行動と組織コミットメントおよび職業コミットメントの関係を明らかにすることを目的とする。そのために、連携尺度の精緻化が現時点のもっとも大きな課題と認識している。引き続きヒアリング調査を行い、薬剤師と事務職員の連携尺度の精緻化を図る。広く情報を収集して、専門職を対象とした一般化できる知見を得ることを将来的な課題とする。
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Causes of Carryover |
調査に一部遅れが生じ、人件費・謝金の支出が予定通りに進まなかったため。
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