2022 Fiscal Year Research-status Report
The Role of the Human Resources Department at Headquarters in Talent Management in Japanese Companies and Its Impact on Employee Careers
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22K01691
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 秀樹 同志社大学, 政策学部, 准教授 (90567801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 恒貴 法政大学, 政策創造研究科, 教授 (30647227)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | タレントマネジメント / 人的資源管理 / 人事部の役割 / 本社人事部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,本研究の目的は,①日本企業における次世代幹部候補の早期選抜型人事制度(いわゆるタレントマネジメント,Talent Management, TM)において本社人事部がどのように関与しているのかを明らかにすること(実態解明),②TM実践に対して本社人事部がどの程度戦略的役割を発揮しているのか,そしてTM成果としてどのような成果を得ているのかについて明らかにすることである。 これらの課題解明により,TMが進む(とされる)日本の昇進管理における本社人事部の戦略的地位や戦略的関与を明らかにすることができる。また,人事機能の集権性が従業員のキャリア・キャリア意識にどのような影響を与えるのかを明らかにすることになる。 人事部の関与の議論の行う以前に,TM実践が従業員にどのような影響を与えるのかを考え,それら影響(の可能性)を踏まえた上で人事部の関与として求められる点を検討する必要がある。そこで,本年度は,研究代表者・研究分担者がこれまでに収集したアンケートデータを利用して,上記の分析に着手した。 具体的には,自身のタレントステータスへの認知(=タレントとして選ばれた)の有無が彼らの創造的行動にどのような影響を与えるのかについて分析を行った。分析の結果,自身がタレントであると認知する者は創造的成果を創出する可能性が示唆された。また,タレントステータスと創造的行動の関係において,上司と部下の良好な関係性が正の調整効果を持つことも示された。 本年度の分析を通じた得られた「上司-部下の関係性がTM成果にポジティブな影響を及ぼす」という結果を踏まえて,今後,「人事部と従業員の関係性」に分析視覚を拡張するために本科研での調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,既存データの分析及び今後の調査の計画に注力した。既存データを使用した論文の掲載に向けての活動に予想以上の時間を要したため,本科研独の調査の開始が若干遅れている。なお,当該論文は査読付き海外学術雑誌に採択・掲載されている。 今後人事部への調査を実施することで,本年度までの研究成果を統合的な研究を展開できる計画である。上記論文への注力中も,調査実施にかかる準備は進めており,2023年度前半には調査が実施できるめどはついている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,2023年度は人事部調査を実施する。この調査を実施して,日本企業における次世代幹部候補の早期選抜型人事制度・タレントマネジメントにおいて本社人事部がどのように関与しているのかを明らかにして,TM実践に対して本社人事部がどの程度戦略的役割を発揮しているのかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
大規模調査の実施が2023年度に延長となったため,次年度繰越金が生じている。 2023年度に調査及び学会報告などを行うため,それらに対して補助金を活用する。
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