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2022 Fiscal Year Research-status Report

健康経営とワークライフバランスの両立に関する実証的検討-在宅勤務の視点から-

Research Project

Project/Area Number 22K01722
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

岩田 一哲  三重大学, 人文学部, 教授 (70345859)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 杉浦 裕晃  愛知大学, 経済学部, 教授 (60345858)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords在宅勤務 / ストレス / ワークライフバランス
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、在宅勤務が変化する状況下で、ストレス削減とワークライフバランスを両立する方法を検討すべく、測定尺度の検討を行った。在宅勤務の日数を比較対象とする変数と置き、家族と仕事の間のコンフリクトであるワークファミリーコンフリクトとストレス反応との関連を検討すべく、それぞれの測定尺度を検討した。
日本におけるストレス研究においては、新職業性ストレス簡易調査票が推進されつつある。この内容をもとに検討を行うことが妥当であると考えられる。この調査票は仕事の負担と仕事の資源が、それぞれ、心身の健康や職場の一体感、従業員のワークエンゲージメントに影響を与え、最終的に、従業員の満足やイノベーションといった成果に結びつくという内容である。この内容を、ワークライフバランスにも拡張して運用することを考えている。
具体的には、仕事の負担には、仕事の量・質の負担と、対人的な負担に関わる役割葛藤と感情的負担を、仕事の資源には、仕事そのものの要因である仕事の自律性と役割明確性、対人関係からの支援であるソーシャルサポートを、また、WLBとの関連では、ワークファミリーコンフリクトをモデル内に組み入れる。健康経営については、新職業性ストレス簡易調査票の中の職務の遂行と創造性の発揮を組み入れることで、ストレス関連の変数と、健康経営の関係を組み入れる。
以上の内容を検討した上で、在宅勤務状況との関連を検討したい。また、日本においては、コロナ禍収束の気配が見えることもあり、コロナ禍後の調査に入れる環境も整いつつある。コロナ禍中の予備調査結果からは、在宅勤務状況が直接ストレスや成果に影響があるとは言えなかったものの、自律性や上司のソーシャルサポートに関連することによって、ストレスを削減し、成果を増大させる効果があることが分かった。今後もこの検討を行ってゆきたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要でも挙げたように、既に質問項目の選定が終了しており、現在は、さらに付加的な質問項目が必要がどうかの検討に入っている。コロナ禍終息がはっきりした時点でアンケート調査に入ることができると考えられる。
調査項目の選定については、新職業性ストレス簡易調査票を用いることとした。この調査票は、仕事の負担、仕事の資源、従業員の反応、組織的な成果の全てが網羅的に組み込まれている点で、また、職業性ストレス簡易調査票がストレスチェックで採用されており、この内容の改訂版が新職業性ストレス簡易調査票であることから、医療の現場でも用いられる可能性が高いと考えられる。さらに、新職業性ストレス簡易調査票は、より多くの調査項目を測定している。研究代表者は、ストレス研究を継続してきた際に、ストレスを引き起こす最も大きな変数が、役割葛藤であることをすでに指摘しており、この内容が、新職業性ストレス簡易調査票に新たに入れられている。
以上の点から、新職業ストレス簡易調査票を中心にして、ワークライフバランスに関連する内容である、ワークファミリーコンフリクトを新たな変数として調査項目に入れることとした。
以上の理由から、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後については、調査の時期並びに付加的な項目の検討を中心に行いたい。
調査の時期については、日本におけるコロナ収束をどの時点とするかによる。政府は2023年5月からマスク着用について個々人の判断に任せるとして、コロナ対策の緩和を進めている。とはいえ、現在でもコロナウィルス感染者は多数存在する。この状況について、コロナ禍が収束したと考えるか、まだコロナ禍は収束していないと考えるかは判断が分かれるところである。したがって、政府からコロナ収束宣言が出されるか、あるいは、医学界から、コロナウィルスの影響がインフルエンザとほぼ変わらない、という指摘が出される頃にアンケート調査を行うべきと考えられる。
付加的な項目については、コロナ禍の中で、在宅勤務を取得した人と取得しなかった人の差がどのようなものかについて、正規従業員をサンプルとして調査してきたが、本研究では、サンプルを非正規従業員に拡張するかの検討を行っている。この理由は、コロナ禍によって在宅勤務者が圧倒的に増加した際に、在宅勤務を円滑に進める体制が企業側に整っていない状況であったこともあり、仕事の割り振りがうまくいかず、結果としてより下位の従業員に仕事が押し付けられた、あるいは、丸投げされた状況があるのではないかと思われるためである。このような内容に関する調査を行うべきか、さらなる検討を行う必要がある。

Causes of Carryover

本年度は、コロナウィルス関連の事情もあり、学会出席並びにインタビュー調査等のための旅費等の金額が計上できなかった。次に、物品等については、機器類の買い替え等が生じなかったため、本年度にその予定をしている。謝金等については、これもコロナウィルス等の影響によって、学生等の活用が容易に行えない状況にあったため、計上できなかった。
今後の使用計画として、本研究はWeb調査を中心とした研究内容であり、また、コロナ禍の収束時の調査を予定している。したがって、次年度あるいは最終年度に大規模なWeb調査を行う予定を立てている。この計画は日米比較を検討しており、特に米国へのWeb調査は大きな費用が必要である。こちらに費用を充当することによって、今後の調査をスムーズに行いたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] COVID-19で若者の地域間移動性向は変わるのか2022

    • Author(s)
      李 永俊, 小谷田 文彦, 花田 真一, 杉浦 裕晃, Jumppanenen Aapo, Timo M Suutari
    • Journal Title

      地域未来創生センタージャーナル

      Volume: 8 Pages: 69‐72

    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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