2022 Fiscal Year Research-status Report
関係人口としての寄付者と地域との関係性マネジメントに関する研究
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22K01724
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
梶 英樹 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 講師 (60784882)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関係人口 / ファンドレイジング / ドナーリレーションズ / 地域人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人口減少と高齢化が進行する過疎地域の再生において、地域づくりを担う人材としての「関係人口」に着目し、ふるさと納税やクラウドファンディング等のオンライン寄付者をはじめとする地域への資金支援者(ドナー)が、地域との関係を深化させて、より高次の関わりを構築させる地域運営マネジメントのあり方について検討することである。 本研究の初年度である令和4年度の計画では、ふるさと納税やクラウドファンディング等を通じた寄付者と当該自治体との関係性を把握し、自治体における関係人口の多段階プロセスのマネジメント課題を明らかにすることにあった。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大が長引く状況が続いていたことから、県外への調査によって地域外からの寄付者の関わりについて十分な調査データが得られにくい状況であったことから、寄付者と関連する地域アクターの対象群について非営利組織から先に行うこととし、寄付・ファンドレイジングを推進する中間支援NPOやチャリティーショップ運営団体等へのヒアリング調査を実施した。その結果、都市部とは異なる中山間地域における寄付の現状や寄付者と地域との関係性の特質、そして、寄付者と地域をつなぐ地域全体としてのファンドレイジング機能、すなわち、”寄付調達と人材確保の統合アプローチ”を有する地域マネジメント運営の組織化について新たな発見ができた。 また、令和4年度は、ドナー関係の理論、関係人口に関する国内外の文献研究に注力し、寄付から始まる段階的な地域づくりへの支援者関与の拡大に関する論点などについて理解を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染症拡大の影響により、当初予定していた調査を調査対象群を拡大させることで、必要なヒアリング調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、自治体政策部門を調査対象としてアンケート及びヒアリング調査を引き続き実施する。また、当初計画どおり、ドナーリレーションズ理論に基づき、アクションリサーチを通じて寄付者の段階的な関係プロセス構築の実証を行い、「関わりの階段」モデルの妥当性について実証を試みたい。その際には、令和4年度の調査によってわかってきた地域全体としてファンドレイジング機能を有する地域マネジメント組織のあり方について検証したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、県外調査に予定していた旅費が支出できなかったため。令和5年度で状況を鑑みつつヒアリング調査旅費として使用を予定している。
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