2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K01749
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
西井 真祐子 千葉商科大学, 商経学部, 講師 (50822201)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 擬人化性 / ネガティブ効果 / 消費者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当該年度の目的は、擬人化性をマーケティングに活用することで、消費者の満足度を下げるといった、企業にとってはネガティブな効果を生じうる条件を明らかにすることであった。 この目的を達成するために、関連する先行研究を調べ、ネガティブな効果を生じうる購買場面の想定を行うとともに、ネガティブな効果が生じるメカニズムを説明する変数の洗い出しを行なった。次に、先行研究のレビューをもとに仮説を導出し、仮説を検証する調査を実施した。まず、予備調査を行い、さまざまな購買場面を設定して、擬人化性の存在が消費者にいつどのような影響をもたらすのかを検証した。次に、予備調査の結果から、消費者からネガティブな反応を得そうな購買場面を設定し、それを模擬的購買環境に反映した刺激を使って、本調査を行なった。 調査から得られたデータを分析した結果、ネガティブな消費者反応を引き起こす購買文脈の条件が明らかになった。さらに、その影響を緩和しうる個人特性の条件も明らかになった。これらの研究成果は、擬人化性が消費者に与えるネガティブ効果を検討していく上で、今後の研究の大きな指針となる。 当該年度に行なった研究の成果の一部は、EMAC Annual Conference 2023(The European Marketing Academy)のOral presentation および EACR Conference 2023(European Association of Consumer Research)にて発表されることが決定している。 両カンファレンスでの発表は令和5年度であるが、同じ分野の研究者である聴衆と議論を行い、研究の推進に役立てる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
購買場面ごとに擬人化性が消費者からどのような反応をもたらすのかについて、調査を複数回実行した結果から明らかにすることができた。しかしながら、カンファレンスの査読者からも指摘があったように、条件の精緻化および理論的根拠の構築にはまだ荒い面があるため、今後は追加の検証等を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
ネガティブ効果が生じる条件の精緻化、および理論的根拠をさらに緻密なものとする必要がある。追加の先行研究のレビュー、および追加検証をしていく。
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Causes of Carryover |
当初、統計ソフトの年間ライセンス契約を行う計画であったが他で間に合わせられたことと、調査手法の工夫によって次年度使用額が発生した。 次年度には、当該年度で行なった研究から想定以上に良いデータ結果を得られたことから国際学会での発表が叶ったため、その発表に関する費用等に使用する計画である。
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