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2022 Fiscal Year Research-status Report

交通政策の「近隣効果」に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22K01751
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

加藤 一誠  慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (60290269)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中東 雅樹  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30406714)
後藤 孝夫  中央大学, 経済学部, 教授 (60435097)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords道路 / 近隣効果 / 地理的近接性 / 相互参照行動
Outline of Annual Research Achievements

本年度は以下の3つのテーマで研究を実施しており、それぞれの状況を説明する。
(1)日本の道路:国が2014年度以降とりまとめている道路・トンネル・橋梁の点検結果を収集し、道路の維持管理施策の実施状況を点検結果から捕捉する方法を検討した。そして、検討した方法に基づく予備調査として、道路施設の点検結果が相対的に悪い都道府県を抽出したうえで、当該都道府県の道路施設の点検結果を施設単位で統合する作業を実施中である。
(2)アメリカの道路:加藤(2021)における分析の改善も含めた数年間にわたる本研究の成果の一部を発表する機会を得て、加藤・中村(2022年12月)となった。そして、最新の関連文献のサーベイとともに州レベルのデータを収集し、それらの内容を論稿にまとめた(2022年11月)。また、アメリカでも燃料税関連の収入が大きく減少しており、各州は燃料税の引き上げ、道路利用課金(Road Usage Charging、RUC)の導入および有料制の導入によって対応していることがわかった。加藤・安部(2022)は、そのうちの有料道路の導入が増加している現状を紹介しており、23年度以降の分析のヒントとなっている。
(3)日本の行政活動における近隣効果(相互参照行動):本年度は邦語論文9編(社会保障4編、財政系4編、観光系1編)をサーベイした。近隣効果が生じる要因の有力な仮説として、当該自治体の投票権をもつ住民がサービス水準を他自治体と比較し評価することで、自治体政策決定者は他自治体のサービス水準を重要視することになり、政策に相互関係が生じるというメカニズムがあることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

条件が悪いなか、研究補助者を加えて対面で研究会を開催し、現状報告、今後の活動方針を決めることができた。その内容にもとづき、メンバーそれぞれが当初の目標としていたサーベイ、データ入力、分析方法の検討およびモデルの改善という課題の一定部分はクリアしたと考えている。もっとも、コロナ禍において海外学会はハイブリッド開催となったものの、諸条件が整わず、研究補助者とともにオンライン報告となったことは残念であった。

Strategy for Future Research Activity

次年度以降、新しい研究協力者を加え、4名で研究を実施する予定である。
道路を対象にした分析においては、現在進めている予備調査の結果を検討し、本格的に調査をはじめ、そこから、自治体の道路施設の維持管理の実施状況(健全性からみた改善状況)を明らかにする。そのうえで、別途実施している地理的近接性を考慮した理論研究をふまえた統計分析を実施する。また、北海道内の市町村管理の橋梁を対象に正の「近隣効果」が発現することを明らかにした中村(2023)の結果を補強するため、近隣効果が発現する要因をヒアリング調査により明らかにするとともに、理論的背景について文献レビューを通じて整理する。さらに、地域交通事業を対象として相互参照行動を分析する。あわせて、海外における相互参照行動をサーベイし、日本における近隣効果(相互参照行動)と比較する。そして、これらの研究結果をできる限り公表していきたい。
空港を対象にした分析では、成田・羽田・関西の3空港を除く国内空港を対象とするパネルデータ分析とサバイバル分析から近隣空港との競争が持続性を低下させうることを明らかにした中村(2022)を拡張し、実需要データによる分析に本格的に取り組むとともに、協力ゲームの観点から提携構造の考察を進める。さらに、提携形成シミュレーションなどにも取り組む予定である。

Causes of Carryover

学会がオンライン開催になり、旅費を支出できなかった。旅費が上昇しており、2024年度に海外学会で報告を予定しているため、そちらに充当したい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] アメリカの維持管理における連邦の道路政策の役割2022

    • Author(s)
      加藤 一誠、中村 知誠
    • Journal Title

      交通政策研究

      Volume: 2022 Pages: 18~19

    • DOI

      10.20717/retrapjp.2022.0_18

    • Open Access
  • [Journal Article] アメリカにおける道路の維持管理と財源調達の「近隣効果」2022

    • Author(s)
      加藤一誠・中村知誠
    • Journal Title

      日交研シリーズ(日本交通政策研究会)

      Volume: A-859 Pages: 62-74

  • [Journal Article] アメリカにおける有料道路の現状ー都市地域への対応として―2022

    • Author(s)
      加藤一誠・安部馨
    • Journal Title

      高速道路と自動車

      Volume: 66(4) Pages: 27-30

  • [Presentation] “Factors Sustaining International Flights in Japan-Focusing on airports other than Narita, Kansai and Haneda-"2022

    • Author(s)
      T.Nakamura and K.Kato
    • Organizer
      25th Air Transport Research Society World Conference
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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