2023 Fiscal Year Research-status Report
新興工業経済地域における生産ネットワークの進化とロジスティクスの高度化
Project/Area Number |
22K01776
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 秀和 関西学院大学, 商学部, 教授 (30368451)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 自動車産業 / 部品調達 / 生産ネットワーク / ロジスティクス / 在庫管理 / 新興工業経済地域 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新興工業経済地域における地場企業の納入物流に対するロジスティクスの高度化が地域経済の発展に寄与するのか、あるいは、その未成熟が発展を阻害するのかを明らかにすることである。 具体的には、日系企業とそれ以外の多国籍企業で新興工業経済地域におけるグローバル生産ネットワークに違いはあるのか、グローバル生産ネットワークの構築・発展にロジスティクスの高度化はどれほど貢献しているのか、各国・各地域の産業・貿易政策はロジスティクスの高度化に寄与しているのか、の主に3点について定量的な分析を行う。 2023年度は、以下の3点を行った。 (1) (2022年度からの継続で)自動車産業ポータルMARKLINESが提供する「情報プラットフォーム」の部品サプライヤー情報を利用し、日本とタイに生産拠点を有する日系自動車メーカーの部品別供給ネットワークに関する国際比較分析を行った。その結果、サプライヤーの取扱部品や規模によって、顧客ポートフォリオやその拡大プロセスも異なることを明らかにした。本論文の改訂・再投稿を行い、国際学術雑誌に掲載された。 (2) (1)の結果を基に、タイ・バンコクにおける物流企業を含む自動車関連企業に対するアンケート調査(主に日系企業)、およびヒアリング・現地調査(幾つか地場の部品サプライヤーや物流企業も対象)を行い、部品供給に関する情報収集を行った。 (3) (2)の結果を基に、ASEANにおける組立メーカーの出身国別(特に中国など新興自動車メーカーを念頭に)の生産ネットワークの国際比較のため、上記「情報プラットフォーム」のデータ収集・整理を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響から、(本研究課題の先行研究にあたる)2019年度採択の科研費研究課題(当初は2021年度が最終年度)を2023年度まで延長したため、本研究課題にさける時間が限定的であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度にタイ・バンコクにおいてアンケート調査、ヒアリング・現地調査を進めることができ、また海外共同研究者と集中的に議論を行うことができたため、これまでの遅れを幾らか挽回することができた。 最終年度である2024年度は、ASEANにおける組立メーカーの出身国別(特に中国など新興自動車メーカーを念頭に)の生産ネットワークの国際比較のためのデータベースに基づき、組立メーカー別・生産拠点別の生産ネットワーク分析を行う。
|
Causes of Carryover |
定量分析のためのデータベース構築においては、主に自動車産業ポータルMARKLINESが提供する「情報プラットフォーム」の部品サプライヤー情報を利用したが、本研究の先行課題である2019年度採択の科研費研究課題を2023年度まで延長を行い、本年度の利用料も当該課題から支出を行ったため、当該利用料の本研究課題からの支出は発生しなかった。 2024年度は、上記の利用料を本研究課題の「その他」として、また海外共同研究者との研究打合せ、さらに追加のヒアリング・現地調査を行うための「旅費」として、主に科研費を使用する。
|
Research Products
(2 results)