2022 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical and empirical research on the role of organizational identity in performance management accounting
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22K01791
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
若林 利明 上智大学, 経済学部, 准教授 (80705666)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 業績評価 / アイデンティティ / マルチタスク / 複数業績指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、Heinle et al.(2012)の研究に依拠して、株価と会計利益という2つの業績尺度の利用と配分にアイデンティティが及ぼす影響をマルチタスクのLENモデルを用いて明らかにした。本年度の結論の多くはHeinle et al.(2012)と整合的であるものの、Feltham and Xie(1994)という世界中で広く引用されている研究の流れを組んでいることがよくわかるような設定に修正したうえで、追加的な分析を行なっている。 分析の結果、次の成果を得た。第1に、先行研究では、業績尺度の精度(precision)が高くても整合性(congruity)に欠ける業績尺度はエイジェントに歪みのある努力配分を動機付けるため、プリンシパルにとって望ましくないとされているが、本年度の研究はアイデンティティが高まるとその業績尺度に対する整合性の重要性が低くなることを示している。この結果は、企業は、アイデンティティが低いエイジェントと契約する場合には、株価のような精度は低いが整合性の高い業績尺度を採用し、アイデンティティが高いエイジェントと契約する場合には、会計利益のような精度は高いが整合性の低い尺度を採用する傾向があると示唆している。第2に、複数の業績尺度を使用する場合、エイジェントのアイデンティティのレベルが、インセンティブ係数の絶対的な大きさと、異なる業績尺度に割り当てられた相対的なインセンティブの重みの両方に影響を与えることを示した。第3に、単一の業績尺度を利用していても複数の業績尺度を利用していても、アイデンティティが高いことはプリンシパルにとって望ましいことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度であるが、今後の研究に向けた核となるモデルを確認できた。また、査読付きではないものの、先行研究をベースとしたモデルに基づき、論文を1本公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、本年度の研究を発展させて、プリンシパルが行動目標を設定する際にコストを負うような状況を検討する。研究の成果を国際学会で報告することを目指す。
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Causes of Carryover |
今年度は、海外では対面開催が中心となる一方で、日本ではまだコロナの影響も残っており、国際学会への出張を積極的に行うことは難しかった。一定の成果をあげることはできたものの、現在の情勢に鑑みると無理に海外で報告する必要は無いと判断した。
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