2022 Fiscal Year Research-status Report
Accounting and well-being research based on computer science
Project/Area Number |
22K01811
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
廣瀬 喜貴 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (90760265)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オンライン実験 / サーベイ実験 / オンライン・サーベイ実験 / リーダビリティ / トーン / テキスト分析 / 行動会計 / 公会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、先行研究のレビューを実施するとともに、Pythonベースで実験プログラムを作成するためにoTreeの習熟に努め、オンライン実験の結果を公表した。oTreeとは、実験室、オンライン、フィールド、またはそれらの組み合わせでインタラクティブな実験を実施するためのオープンソースのオンラインソフトウェアである。オンライン実験を実施した結果は、人工知能学会で2報、日本会計研究学会で1報、行動経済学会で1報の学会発表を行なった。2022年度人工知能学会全国大会(第36回)では、地方公共団体が公共経営の施策をどのように市民に伝達すると理解度や興味度が上がるのかを検証した結果を報告した。また、日本会計研究学会第81回全国大会では、有価証券報告書の読みやすさが個人投資家の意思決定に及ぼす影響についての基礎研究の結果を報告した。行動経済学会第16回大会では、上述の読みやすさを操作する実験を拡張し、読みやすさとトーンを操作した実験計画の実験結果を報告した。当該年度は、研究実施計画に記載の先行研究のレビューに加え、2年目に予定していた基礎的なテキスト分析とオンライン実験を前倒しで実施できたこともあるため、次年度は、より直接的なオンライン実験を実施する。すなわち、公共部門が開示しているどの会計情報が住民の幸福度と関連しているのか、どのような幸福状態にある人がどのような会計上の意思決定を行なうのか、人々の幸福度を高めるためにはどのような会計制度の設計が必要か、などの論点をオンライン実験により検証することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、実験に必要なプログラミングの知識を一通り身につけることができた。そして、研究実施計画に記載していた実験の予定を一部前倒しで実施することができた。テキスト分析についても、これまで実施してきたリーダビリティの分析に加え、トーンに関する分析も実施することができたことが収穫であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を実施するうえで基礎的な実験および分析が完了したことから、今後は本研究課題の本題に関する実験を実施することを予定している。一人意思決定を軸としたオンライン・サーベイ実験を主とするものの、今後はインタラクションのある実験についても積極的に実施することを予定している。引き続き、市民や個人投資家といった個人の意思決定に何が関連しているのかを探求する。
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Causes of Carryover |
円安および物価高の影響で予定していたPCが購入できなかったため、次年度使用額が生じた。同スペックのPCを探し、代替品調達の目処が立ったため、翌年に使用することとなった。
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