2022 Fiscal Year Research-status Report
Studies on changes of the meshed data based Urban Areas 2010 afterwards
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22K01835
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
玉野 和志 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (00197568)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 都市 / 都市地域 / 人口推移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまだ2020年の国勢調査のメッシュデータが公開されていないので,すでに公開されている2015年のデータを付け加えて,その変化について確認する作業を行った.メッシュデータを用いて独自に設定した全国で118の都市地域(meshed data based Urban Areas 2010: mdbUA2010)について,2010年から2015年にかけての人口の変化を,これまでに行った推移のパタンにもとづく類型ごとに確認していった.その結果,以下のことが明らかになった. 2010年までの人口推移のパタンは,1.拡大都市,2.持続都市,3.停滞転化都市,4.縮小転化都市,5.縮小都市の5つの類型に分けられる.それぞれについて2015年のデータを付け加えて分析した結果,次のような変化が確認された.これまで一貫して人口が増加してきた拡大都市のうち,大都市圏周辺に位置する都市の多くが,2015年になって人口の増加傾向を鈍化させていて,以前から東京圏周辺に多く見られた停滞転化都市と同様の傾向を示すようになっている.このことから東京などの大都市圏の成長力が鈍ってきていることが考えられる.人口が一貫して減少している縮小都市やある時期から人口が減少し始めた縮小転化都市のうち,富山と鳥取だけが人口の減り方が鈍化していることが明らかになった.いずれも特徴的な取り組みが報告されている都市で,その効果が現れているのかもしれない.さらに,東北地方の主要都市は,いずれも人口増ないし縮小傾向の鈍化が見いだされ,2011年の東日本大震災の影響で都市への人口集中が起こっていると考えられる.なお,2015年からこれまでの傾向が変化し,拡大・縮小・縮小転化などの都市へと類型を見直す必要があると思われる都市もいくつか見いだされた.これらについては2020年のデータが得られた後に,改めて検討していきたいと思う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに公表されている2015年のデータを加えた人口推移の確認作業については,予定通り進めることができた.2020年のデータについては,やはり年度内には公表されなかったので,次年度以降の課題となる.それに向けて確認すべき観点については,大都市周辺部の衰退傾向,東日本大震災の影響による東北都市への人口集中,特徴ある取り組みが報告されている都市の動向など,興味深い点が見いだされたので,概ね順調であると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
2015年のデータを追加することでわかる分析については,一通り完了しているので,2020年のデータの公表を待って,引き続きその後の推移についての分析を進めていきたいと思う.すでに,2015年のデータを追加することで,可能になる分析については明らかにできているので,2020年のデータが公表され次第,追加の分析をしていくことは比較的容易であると判断している.ただし,公表が遅れる可能性もあるので,その場合は,これまでの分析結果を詳細に整理し,学会報告などでいつでも利用できるような資料を作成しながら,データの公表を待つことを予定している.
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Research Products
(1 results)