2023 Fiscal Year Research-status Report
外国につながる高校生のエンパワーメントにおける社会関係資本の影響に関する実証研究
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22K01839
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 宏美 学校法人文京学院 文京学院大学, 人間学部, 教授 (30614490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪谷 美欧子 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (80363795)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 外国につながる若者 / 社会関係資本 / エンパワーメント / ロールモデル / 奪文化化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、いかなる社会関係資本が外国につながる高校生の適応過程や教育達成、卒業後の社会生活において影響するのか、その環境要因を導出することである。 この目的を達成するため、2023年度は以下の研究を進めた。1) 2023年6月から7月にかけて、研究対象校であるS高校の外国につながる生徒49名にインタビュー調査を実施し、社会関係資本の効果について分析を行った。2)2024年3月に、外国につながりのある若者に対してインタビュー調査を実施した。次年度にかけて卒業後の進路状況や社会関係資本の有無や形態、それへのアクセスが現在の仕事や社会生活にどのように影響したのか分析を行う。3) 2024年1月にS高校のキャリア科目で同じ境遇の「先輩」の体験を聞く会を実施し、終了後振り返りシートを用いて自己評価を実施した。4)本科研メンバーの研究能力向上に資するため、質的データ分析ソフトの研修会を実施した。その他、本科研に関する研究会、研究打ち合わせ、学会報告準備打ち合わせを随時実施した。 日本社会では少子高齢化の進行が社会問題となっている一方、労働力不足を補うため外国人労働者が増え続けている。現在、親の呼び寄せで来日し、日本の義務教育を受け高校に進学した後卒業した若者が、日本で大学進学や就職をする機会が増えている。これらの若者は、日本の学校教育を受け、親世代より日本の文化や制度への親和性が高い。日本社会の一員として活躍が期待される。本研究では、家族・学校・地域社会の社会関係資本がこれら若者の職業生活や社会生活にどのように関わっているのかを検証し、今後の施策の基礎資料を供するところに意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の実施計画通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画どおりに推進できる見込みである。
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Causes of Carryover |
今年度、インタビューを想定した対象者が予定数を下回った。次年度インタビューを継続して予定数を確保することにする。また、今年度予定した学会発表が、学務の都合でできなかった。次年度、学会発表を予定している。
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