2022 Fiscal Year Research-status Report
「復帰」50年の沖縄におけるナショナル・アイデンティティと政治意識
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22K01843
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
熊本 博之 明星大学, 人文学部, 教授 (80454007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 満 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (30398028)
田辺 俊介 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30451876)
米田 幸弘 和光大学, 現代人間学部, 准教授 (40555257)
高橋 順子 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (90555434)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ナショナル・アイデンティティ / 政治意識 / 米軍基地 / 沖縄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、本土復帰50年を迎える2022年に、沖縄県民を対象とする量的調査を実施し、沖縄県民のナショナル・アイデンティティの規定要因を解明するとともに、基地問題や政治に関する意識との関連構造を明らかにすることを目的としている。 初年度である2022年度は、7月から8月にかけて、無作為抽出法によって選出された沖縄本島および石垣島、宮古島の14市町村でサンプリングを実施し(サンプル数3800)、2022年9月11日に実施された沖縄県知事選挙の翌日に届くように調査票を発送した。2022年中にもどってきた調査票は1053件で、転居先不明の方などを除いた回収率は28.8%であった。また2023年3月2日に明星大学に研究代表者および分担者が集まり、データクリーニング等の作業を行い、統計的分析に向けての準備を終えた。 現時点での分析結果として注目されるのは、ある人を「本当の沖縄人」と見なすために重要と考える条件について、「先祖が沖縄人であること」を重要だと答えた割合が、全体では60%だったが、18-34歳では43%であるのに対し、65歳以上では70%と、年齢が上がるについて重要だと考える割合が増えている点である。 また米軍基地問題をめぐる政治意識については、「普天間基地周辺の危険性を除去するためには、やむをえない」や「建設が止まる可能性は低いので、やむをえない」という辺野古への移設を「仕方がない」という見解について、賛同率は4割程度となっており、ある種の「あきらめ」が広がっていることが明らかになった。特に若い世代ほど「あきらめ」が広がっていることも見えてきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり2022年9月に調査票の配付を実施することができ、回収率も28.8%、回収サンプル数も1053件と統計的分析に耐えうるデータを得ることができた。データクリーニング、コーディング等の作業も終わり、統計的分析にも着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きデータ分析を進め、成果報告書を制作する。また2023年6月を目処に、主に沖縄の地元メディアに向けたプレスリリースを行う予定である。分析を精緻化するためのフィールドワークも、質的社会調査班を中心に進めていく。
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Causes of Carryover |
回収サンプル数をあげるため、サンプル数を当初予定の3000から3800に増やしたことと、当初回収数が少なく、督促状の送付件数が増えたことに伴い、次年度使用額が発生した。次年度の研究計画については、オンラインミーティングを活用するなどの方策をこうじて使用予算を抑えることで十分に遂行可能であると考える。
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Research Products
(1 results)