2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K01847
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
土屋 敦 関西大学, 社会学部, 教授 (80507822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 靖幸 新潟県立大学, 人間生活学部, 准教授 (30713797)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 社会的養護 / 施設養護 / 子ども / 愛着障害 / 歴史社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は社会的養護、特に施設養護における「愛着障害」概念の変遷に関する資料収集及び共著本の執筆を2本行った。いずれも2023年度の刊行になるが、一冊目の共著本では、施設養護の中でも特に2歳以下の子どもの保護施設である乳児院の機関誌『乳児保育』の分析から、特に1980年代から2000年代までの乳児院における「愛着障害」問題の盛衰を追いかけた。結果、乳児院における「愛着障害」問題の形成が盛んに行われ出すのは1990年代後半から2000年代初頭以降においてであり、そこでは児童虐待問題が社会的に構築される中で、被虐待児には「愛着障害」を有する子どもが多いことを指摘するかたちで、同問題が施設養護の場で興隆していく軌跡が明らかになった。 2冊目の共著では、特に1960年代から2000年代までの里親言説に注目するとともに、同時期における家庭養護促進協会の機関誌、および養子と里親を考える会の機関誌を分析対象とするかたちで、里親養育や里親委託に関する議論形成の場の中で「愛着障害」をめぐる議論がいかなるかたちで変遷したのかを検討した結果、1960年代後半において「愛着障害」を指摘する議論は若干見られるものの、その後1970~80年代にかけて同議論は里親委託の文脈では語られなくなっていくことが確認された。その後、同議論は1990年代初頭以降徐々に語られ始めるとともに、2000年代以降膨大な議論の蓄積がなされていくことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点で資料収集はかなりの程度進んできており、2022年度はそれをまとめあげる作業に入ることが出来た。ここまではおおむね順調に研究が出来ていると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、戦後日本、特に1960年代から80年代の施設養護における「愛着障害」の盛衰をめぐる資料分析を行うとともに、子ども社会学・家族社会学の理論的な研究を行う予定である。またその上で、再来年度にはこれまで蓄積してきた原稿を束ねるとともに、一冊の単著として刊行する予定でいる。
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Causes of Carryover |
2022年度の研究活動は順調に行われており、予算もおおよそ順調に消化したが、研究の進捗上、追加で予算を使用する必要なくなった。次年度の書籍代などの研究業務遂行のための基盤整備のために活用したい。
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