2023 Fiscal Year Research-status Report
消防団の福祉的機能に関する歴史社会学的研究―農山漁村における公助と共助
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22K01858
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Research Institution | Kameda University of Health Sciences |
Principal Investigator |
川上 裕子 亀田医療大学, 看護学部, 准教授 (20612196)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 消防団 / 農山漁村 / 地域福祉 / 共助 / 公助 / 歴史社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近代以降、本格的に制度化された消防団活動の展開とその現状を、歴史社会学の手法と2県で実施するフィールドワークにより検証することを通して、消防団の有する役割や機能を地域福祉の側面から実態に即して明らかにすることである。 研究2年目にあたる2023年度は、前年度に引き続き農山漁村における消防団の制度面の変遷を検証することを目的とし、文献検討と防災専門図書館や国会図書館等での資料収集を中心に研究を遂行した。有識者からのヒアリングも実施し、阪神淡路大震災以降の大規模災害における消防団の活動について、避難行動・避難生活での活動実態の変遷に着目する必要性、地域特性や生活課題に応じた防災活動の特徴と今後の展望について示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
資料収集に関しては計画的に行うことができた。しかし、インタビュー調査に関しては、対象者の選定や研究倫理審査委員会の受審準備に時間を要し、実施に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
資料からの制度面の把握に加え、研究対象とする自治体の取り組み事例の収集、実証的に明らかにするためのインタビューなど現地調査が必要になる。とくに未着手のインタビュー調査に関しては、所属機関の研究倫理審査委員会受審のための準備を早急に行い、取り掛かる。また、関連学会において研究成果を公表し、分析結果の再検討を行った上で、論文にしていく。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査が未着手であり、謝金と文字起こし費用の支出がなかった。また、これまでに収集した史資料の分析が十分でなく学会発表ができなかった。これらの事情により研究費を計画的に使用できなかったため、次年度使用額が生じた。最終年度である2024年度については、インタビュー調査を実施し、学会発表なども含め研究費を有効に活用していく。
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