2022 Fiscal Year Research-status Report
International Comparative Research on Diversity, Equity and Voluntariness of Co-production
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22K01885
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
松岡 洋子 東京家政大学, 人文学部, 教授 (70573294)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エイジング・イン・プレイス / コ・プロダクション / アセットベースト・アプローチ / インフォーマル資源 / ボランティア / 高齢者ケア専門職 / 介護支援専門員 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献レビューの成果、日本と海外におけるインタビュー調査の成果をあげることができる。文献レビューにおいては、多様性、対等性、自発性という尺度に加えて、コ・プロダクション(CPと略す)のレベルとして、co-implementer, co-designer, initiatorのレベルで捉える理論的枠組みを発見することができた(W.H.Voorberg, 2015)。質的調査の指標として、また量的調査における日本のコ・プロダクション達成度を測る指標としてさらに検討していきたい。 日本では、沖縄県の高齢化が異なる複数の自治体を訪問して、公民館などの既存施設の存在がインフォーマルな助け合いの基盤形成に大きな影響を与えていること、高齢化率50%を超える限界集落ではボランティアを義務としてではなく、趣味活動の延長線上にとらえて発展させる可能性、などをコ・プロダクションの成功要素として抽出することができた。 英国では、CP先進地と言われているWales(Swansea)とScotland(Edinburgh, Glasgow) を3年ぶりの海外調査として訪問することができた。Walesでは、CP研究のエキスパートであるSwansea大学教授に会うことができ、2023年度インタビュー調査で協力をいただくこととなった。Scotlandでは、主としてボランティア活動を振興する4団体(7人)を訪問し、CPに関するパラダイムシフトの中核には、「専門職から見た課題」から「本人が何を大事と思っているか」への変化があることを確認できた。しかし、CPはミクロからマクロ、難民・就業・貧困などテーマが広範にわたる。この点、対象絞り込みの必要性が示唆されたと言える。さらに、成功要因としては「対等」「リスペクト」「タスク指示」などの仮説が、現段階で仮説的に抽出されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のために、海外調査ができなかったことが大きく影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度(令和5年度)にはインタビュー調査を終了して、コ・プロダクションの構成要素、成功要因要素を抽出する。海外インタビューについては、実際の訪問に加えて、オンライン・インタビューも取り入れていく予定である。さらに、日本の介護支援専門員にもインタビューを行う計画である。その結果をもって、2024年1月、あるいは同年夏・秋のアンケート調査を行なえるように進める。
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Causes of Carryover |
コロナ感染がなかなか収束せず、海外調査が思うようにできなかった。オランダ調査が遅れているため、海外インタビューについては現地調査だけでなく、オンライン・インタビューも取り入れていく。イギリスの専門職インタビューも対象者紹介などで協力を得られることになっているので、オンラインと現地調査を組み合わせて進める。さらに、2024年1月を目標として日本の介護支援専門員向けのアンケート調査を予定している。
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