2023 Fiscal Year Research-status Report
家族意識の長期的変容における地域性の関連メカニズムの解明
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22K01914
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
中西 泰子 相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (50571650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
施 利平 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (20369440)
鈴木 富美子 京都女子大学, データサイエンス学部, 教授 (50738391)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 家族意識 / 時系列変化 / 女性労働 / 産業 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に引き続き、1973年から継続的な調査が行われているNHK「日本人の意識調査」データを用いて、家族意識の時系列変化を統計的に解析してきた。なお、先行研究の精査や統計分析を進める中で、大きく以下3点について議論・検討を行ってきた。まず(1)戦後の家族意識の変容をどのような枠組みで把握することが妥当か、そして家族意識との関連を検討するにあたって(2)地域性をどのように把握することが妥当か、さらに(3)時代・世代・年齢の組み合わせの効果に加えて地域性の効果を含みこんで家族意識の変容を把握するためにどのような方法が妥当かという点である。 以上の論点のうち(1)については、父権制規範と性別分業規範の双方の変数がどのように組み合わって変化してきたのか、そのパターンを潜在クラス分析によって析出し、回答パターンの時点間比較(男女別)を提示した。(2)については、地域特性は、都市規模のみではなく、地域の産業構造やそれに関連する女性の就労状況のありようとの関連性から把握することの重要性を、女性労働に関する先行研究の検討等から再認識するに至った。それをもって、事例研究を含めた先行諸研究を、量的データの時系列分析にどのようにして反映させることができるかを検討してきた。(1)と(2)をふまえて、(3)時代・世代・年齢および地域性の組み合わせによる効果の把握について、APC分析など複数の方法で分析、検討してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の主たる関心である時系列変化について、その検証のために概要でも述べたように長期継続調査であるNHK「日本人の意識調査」の分析などを行い、一定の知見や成果が出ている。結果は第33回日本家族社会学会大会(2023年9月)にて報告を行った。その後も学会や研究会での意見をふまえて分析をすすめて2024年度の学会報告・論文執筆に向けて研究が進んでいることから、おおむね順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は「日本人の意識調査」の分析結果を用いた性別役割分業意識と職業・産業の関連からみた時系列比較を、第34回日本家族社会学会大会(2024年9月予定)などで報告する予定である。そこで得られたコメントなどを参照しつつ論文作成を進め、他の時系列データの分析・検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は代表者による国内報告のみだったため、研究会費や学会旅費などが想定より少なかった。その分については次年度に国際学会の参加や国外での研究交流等に使用する計画である。
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