2022 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者への予防的ソーシャルワーク促進化に向けた効果評価指標モデルの開発検証
Project/Area Number |
22K01961
|
Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
久松 信夫 桜美林大学, 健康福祉学群, 教授 (30389845)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 支援に否定的なクライエント / アウトリーチ / 信頼関係 / リスク / 動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
支援に否定的なクライエントへのアウトリーチにおけるソーシャルワーク実践に必要なことは、従来から指摘されていることであるが、信頼関係の醸成である。文献研究を通して、このクライエントーソーシャルワーカー間の不信感、信頼関係の背景の理解が進んだ。不信感は、支援を求めないクライエントと関わる際の大きな課題である。これは、ソーシャルワーカーによって提供される各種の支援に対してのクライエントの信頼の欠如を反映している。逆に言えば、ソーシャルワーカーは、信頼性のロールモデルとなり、クライエントの懸念や、認識されたさまざまなリスクにていねいに対処する能力を備えていなければならない。支援に否定的なクライエントが直面している、あるいは直面が予測されるリスクとは何か、それを明らかにし、クライエントと共有できるスキルがソーシャルワーカーには求めらる。したがって、いかなる介入においても支援に否定的なクライエントを動機づける方法をとることが介入戦略の中核となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献研究により、支援に否定的なクライエントが直面している、あるいは直面が予測されるリスクとは何か、それを明らかにし、クライエントと共有できるスキルがソーシャルワーカーには求められることが関連付けられた。アウトリーチの介入においても支援に否定的なクライエントを動機づける方法をとることが介入戦略の中核となる。その方向付けの示唆が得られたため、文献検討により研究の方向づけができた。 また、リスクコミュニケーションに関する研究から本研究に援用可能な研究知見が得られたため、関連性の根拠となる論証を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
支援に否定的なクライエントへのアウトリーチ実践の視点に、リスクコミュニケーションの援用が可能なため、その関連付けを行う論証を継続していく。また、アウトリーチ実践の実態を把握するため、インタビュー調査、事例分析を行う、支援に否定的なクライエントを高齢者福祉分野に定め、その活動拠点となる地域包括支援センターのソーシャルワーカーを対象に研究調査を実施する。予備調査を経て、本調査を展開し、新たな研究知見の発見に至るよう、文献研究も併用して実施する。
|
Causes of Carryover |
研究調査が想定より遅延していたため、文献研究と現地調査を併用して実施したい。
|
Research Products
(1 results)