2023 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の経済問題を軽減・解決するためのソーシャルワーク実践モデルの開発
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22K01967
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
杉山 京 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (90824912)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症 / 経済支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度までに実施できていなかった認知症のある人の家族介護者の視点から、認知症の発症に伴って生じている経済問題の実態や必要とする支援を明らかにするためのインタビュー調査を継続して実施した。インタビュー調査によって収集した「認知症のある人の家族が認知症との診断を転機に生じた経済問題とその解決のために授受した支援内容」に係る症例を基に、経済問題に対して期待される支援と実態との乖離を明らかにし、今後の認知症のある人や家族に対する支援の示唆を得ることができた。また2023年度には、地域包括支援センターならびに認知症専門医療機関の専門職を対象に、専門職の視点から経済問題の解決に向けた支援の実態を明らかにするためのインタビュー調査を実施予定であったが、計画通りに調査を実施することができなかった。そのため、2024年度もインタビュー調査を継続して行い、当事者と専門職の両視点から、認知症のある人の経済問題の解決に向けたソーシャルワーク実践を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度中に、地域包括支援センターならびに認知症専門医療機関へのインタビュー調査を完了する予定であったが、前年度から実施していた認知症のある人の家族へのインタビュー調査等の実施に遅れが生じ、専門職を対象としたインタビュー調査における対象者の選定が十分にできなかった。そのため、現在までに収集した認知症のある人の家族のインタビュー調査のデータをさらに詳細に分析するとともに、専門職を対象としたインタビュー調査を継続して実施し、認知症のある人や家族が抱える経済問題の解決に向けたソーシャルワーク実践について検討していく必要があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の初めについては、地域包括支援センターや認知症専門医療機関の社会福祉士などの専門職を対象としたインタビュー調査を継続して行い、経済問題を抱える認知症にある人やその家族の事例を手掛かりに、経済問題の解決に向けた有効なソーシャルワーク実践を検討する。またそれらの結果を踏まえて、経済問題を抱える認知症ある人やその家族の実態や、専門職による認知症のある人や家族が抱える経済問題の解決に向けたソーシャルワークの実践に係る実態を明らかにするためのアンケート調査の準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度中に、地域包括支援センターならびに認知症専門医療機関を対象としたインタビュー調査の実施を完了し、分析結果の集約を行う予定であったが、計画通りにインタビュー調査を実施することができなかった。そのため、その分のインタビュー調査にかかる費用(旅費、謝金、テープ起こしに係る費用など)が差額として生じている。 差額分については、次年度使用額として2024年度に継続実施予定であるインタビュー調査に係る費用として使用する予定である。
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