2022 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生社会を生きる外国人家事労働者を活用した高齢者介護モデルの構築
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22K01976
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小野 真代 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (30816004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 純久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90244053)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 外国人家事労働者 / 高齢者介護 / 努力と報酬の不均衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シンガポールにおける高齢者介護に従事する外国人家事労働者の努力と報酬の不均衡、精神的健康度との関連を明らかにする。また、仕事上の努力と報酬の不均衡を構成する評価フレームを構築する。本研究から得られる成果は、異国の地で高齢者介護に従事する外国人家事労働者の努力と報酬の不均衡の構成要因を明らかにすることで、労働環境の改善を提言することができる。さらに、高齢(化)社会で外国人家事労働者を重要な役割として位置づけ、長期的な介護政策の維持・向上のための提言につなげる。本研究ではシンガポールで高齢者介護に従事するフィリピンやインドネシア等から来た外国人家事労働者を対象に、質問票調査を実施する。調査項目は基本的属性、介護経験、介護技術訓練受講の有無、多重介護の有無、努力・報酬不均衡(Effort-Reward Imbalance Questionnaire)、精神的健康度(General Health Questionnaire-12)、仕事上の負担とモティベーション等である。令和4年度は長崎大学大学院医歯薬学総合研究科(保健学系)倫理委員会において、研究の実施について承認を得た。加えて、シンガポールでの地区踏査、資料収集・文献検討・関連機関との調整を行った。現地の当該分野に関わる労働政策について情報収集を行い、外国人家事労働者の置かれている現状を理解できるよう努めた。また、シンガポールの研究機関で研究計画の承認を得るため、倫理審査の申請に向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、令和4年11月に開催された長崎大学大学院医歯薬学総合研究科(保健学系)倫理委員会において、研究実施の許可を得た(承認番号22101301)。同時に、シンガポールの研究機関で研究計画の承認を得るため、倫理審査の申請に向けて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度には研究実施場所であるシンガポールでの研究機関の倫理審査を受ける予定である。さらに、質問票調査を実施して、解析のためのデータベースの作成と集計および統計解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していた書籍の購入が少なく済み、インクカートレッジが既存のものを使用することができたので購入の必要がなかった。文献管理ソフトも既存のものを使用したので、今年度は購入の必要がなかった。また、インタビューを今年度に実施しなかったために、そのために必要な消耗品費、人件費や謝金の支出がなかった。外国旅費は他予算から支出可能であったため当該経費より支出しなかった。さらに今年度現地での倫理審査を受けなかったため、倫理審査費用を支出しなかった。次年度に必要性が生じた消耗品費、倫理審査費用、人件費、謝金として支出する予定である。
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