2023 Fiscal Year Research-status Report
フランスにおけるニート対策の社会的波及効果に関する研究
Project/Area Number |
22K02002
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
松原 仁美 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (70736347)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 若者政策 / フランス / ニート / 若者保証 / GJ / 伴走支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、就労可能性ではなく若者を取り巻く支援システムの観点から、フランスの若者政策の社会的波及効果について検討する。今年度は、コロナ禍において若者の孤立を防ぐため、若者政策が経済復興と連動して展開した点を明らかにした。新型コロナの影響は多くの若者におよび、政府は若者政策関連の予算を拡大して雇用と生活を保証した。具体的には、若者保証プログラム(GJ)の対象者をニートから初職に就いていない全ての若者に広げ、支援付き雇用の要件を大幅に緩和して失業を防ぎ、新たな若者支援を導入した。 「1人の若者に1つの解決」計画は、若者一人ひとりに適切な解決策を提示することを目標に掲げ、①職業生活への参入促進策、②10万人の進路指導および職業訓練、③雇用から遠ざかっている30万人の参入経路の構築という3つの軸に沿って若者を支援した。また、新たな支援付き雇用である「職業能力への道のり」プログラム(PEC)は、従来の支援付き雇用とは異なり、職業安定所、若者支援機関であるミッション・ローカル(ML)、障碍者向け職業参入機関に登録し、働きながら研修や訓練を受けられるようになった。PECでは金銭的支援や働き口に加えて様々な支援機関との関係を維持することで孤立や孤独を回避することができた。そして、MLでも極めて困難な状況にある若者に対しては優先的に電話で状況を把握して連絡をとり続け、孤立を未然に防いだ。以上の研究成果は、「雇用・福祉領域におけるフランスのコロナ対応─マクロン政権は何をしたのか」として2023年に刊行された『コロナ危機と欧州福祉レジームの転換 』(昭和堂)に所収されている。その後、年度途中で産休・育休に入ったため研究を中断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育児休業中で研究を中断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を再開した際には、研究計画に沿って今後の研究を進めていく予定である。今後、現場の支援機関による違いについて実態を解明していきたい。具体的には、居住地区による支援体制や支援戦略の違い、問題や不具合が生じた場合の支援システムへの影響や対応方法について検討する。また、言説分析を通してGJによる若者の認識の変化を探っていく。
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Causes of Carryover |
産休・育休を取得し研究を中断したため。
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