2022 Fiscal Year Research-status Report
フレイルによる生活障害に対する短期集中支援プログラムの開発
Project/Area Number |
22K02006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石橋 裕 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (50458585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 仁美 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (30583900)
小林 法一 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30333652)
小林 隆司 岡山医療専門職大学, 健康科学部 作業療法学科, 教授 (70337989)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 生活障害 / 生活行為 / 身体活動 / 評価表 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、以下に述べる2つの研究を実施した。第1に、生活障害のあるフレイル高齢者を早期発見できるよう、尺度開発を行なった。高齢者のフレイルは、身体的・精神心理的・社会的側面から検討されることが多く、生活障害はそれらによる結果に位置づけられる。実際、フレイル高齢者は多くの生活行為を安全にひとりで実施していることも多く、社会参加も継続していることもあるため、生活障害の実態を把握しづらいのが実際である。そこで、本研究では作業療法士や理学療法士による生活行為への短期集中支援サービスに注目し、サービスを受けた高齢者の特徴を整理し、評価表を作成した。作成した試作版は21項目からなり、「新しい方法を学習することで課題解決が期待される」「福祉用具の導入や屋内の模様替えなど住環境の変化に対する受け入れがよい」といった項目で構成した。今回は表面的妥当性と内容的妥当性まで検討しており、今後さらなる信頼性と妥当性の検証を行なっていく。 第2に、身体活動を活発に行なっている高齢者がどのような日常生活を行なっているのか、検討を行なった。厚生労働省は高齢者に必要な身体活動の目安を提示しているが、その基準を超える人々がどのような日常生活を送っているのか検討した報告は見当たらなかった。そこで、前に挙げた基準をみたした75歳以上の高齢者を対象に、1日何をして過ごしているのか、身体活動を維持するために行なっていることは何かをまとめた。その結果、当該高齢者は、自宅までの帰宅ルートを複数使い分けていること、自分の検査値やコンディションを医師や第3者に定期的に伝えていること、自分の限界を理解して無理はしていないことがわかった。現在、これらの結果をまとめ投稿準備を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までは概ね順調に進展している。論文投稿も順調に行えているほか、プログラム実施のための協力関係も構築することができた。COVID-19の影響はいまだあるが、研究デザインを再検討するなどの対応を行い、進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究はフレイル高齢者の生活障害に対する基礎調査が主であり、この研究は2023年度も継続する必要がある。一方で、プログラム開発に関しても進めていく必要がある。プログラムに関しては、先の科研費から継続した、身体活動プログラムと生活障害に焦点をあてたプログラムのアルゴリズム検証を進めている。このプログラム検証は開始しており、2024年度中期には一つの結論が導かれることが期待される。
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Causes of Carryover |
2022年度はプログラムの実施よりも基礎調査に注力したため、それにより予算利用に変更が生じた。全期間としての変更はわずかであると考えている。
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