2022 Fiscal Year Research-status Report
離婚前後の母の支援アクセスを阻害する要因の解明および包括的支援体系モデルの構築
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22K02009
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
田中 聡子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (30582382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 典樹 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (70584465)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 母子家庭 / 孤立 / ソーシャルサポート / 離婚前相談 / 養育費 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は離婚前後の母子家庭の母親が気軽に相談でき,母親の抱える多様な問題を解決するための包括的支援体系モデルを構築することを目的とする。離婚前後の母親は夫との葛藤や経済困窮が重なり,様々な問題を抱えることが多い。また,困難が多い母親ほど相談機関に自ら出向くことが少ないことが明らかになっている。そこで,母と子が離婚後に被る不利益を最小限に抑えるための包括的な支援体系をいかに構築するのかという問いを立て,本研究では,第一段階として母親の相談機関へのアクセスを阻む要因を明らかにする。第二段階では,阻害要因を取り除く具体的な方法を示し,離婚前後の生活が激変する時期にパワーレスな母親が抱える多岐にわたる問題を1つ1つ丁寧に解決していく分野横断的かつ包括的支援体系モデルを提案する。 2022年度は母子家庭等就業自立支援センターおよび母子寡婦団体にインタビュー調査を実施した。内容は、多くの母子家庭が存在し、コロナ禍の影響でさらに、困窮しているにもかかわらず、公的福祉に早期につながらない理由や相談支援において予防的に実施したほうがよいことがあるかなどである。結果、母子家庭の母親において、困窮している世帯ほどソーシャル話ポートネットワークが乏しく、相談窓口へのアクセスも難しいことが明示された。また、離婚前相談が増加傾向にある。しかし、母子家庭にならないと(離婚が成立しないと)利用できないサービスも多いため、公的福祉からこぼれる層が存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は新型コロナウイルス感染所の影響で、移動や対面のインタビュー調査に制限があった。特に母子家庭の母親は子どもを養育しているため感染症対策には十分な配慮が必要である。調査協力者の負担を考慮すれば、新型コロナウイルス感染症が一定、落ち着いた後に調査活動をする方が良いと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている母子家庭の母親へのインタビュー調査を完了し、分析も行う。その上で、2024年に向けて質問紙調査の調査項目を確定し、質問紙を完成させる予定である。文献研究を進めて、先行研究レビューを行う。
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Causes of Carryover |
遅れている母子家庭の母親へのインタビュー調査を実施する。そのため、旅費および謝金、テープ起こし代などに使用する予定である。また質問紙調査の項目づくりのため、母子家庭就業自立支援センターのヒアリングおよびプレ調査や専門的知識の提供を依頼するための謝金や旅費に使用する予定である。
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