2023 Fiscal Year Research-status Report
離婚前後の母の支援アクセスを阻害する要因の解明および包括的支援体系モデルの構築
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22K02009
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
田中 聡子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (30582382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 典樹 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (70584465)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 母子家庭 / 総合相談 / ワンストップ窓口 / ソーシャルサポート / 寄り添い方の支援 / 離婚前相談 / 養育費確保支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は離婚前後の母子家庭の母親が気軽に相談でき,母親の抱える多様な問題を解決するための包括的支援体系モデルを構築することを目的とする。離婚前後の母親は夫との葛藤や経済困窮が重なり,様々な問題を抱えることが多い。また,困難が多い母親ほど相談機関に自ら出向くことが少ないことが明らかになっている。そこで,母と子が離婚後に被る不利益を最小限に抑えるための包括的な支援体系をいかに構築するのかということを検討していく。そこで、2023年度は母親へのインタビュー調査を実施すべく、関係機関への予備調査を実施した。母親が困難な状況になっても相談窓口が異なるため最初の窓口対応の良し悪しによって母親が相談しようと考えるか、諦めてしまうかに分かれる。そこで、総合相談支援を実施している「ゆいはあと」事業についてヒアリング調査を実施した。生活困窮に陥り、住居不安定世帯となった母子家庭に対して、住宅支援、生活支援、子育て支援、就労支援など個別の事情に応じた総合支援を展開している。総合相談機能と直接的なサービス提供を一体化した先駆的な取組である。同じく、住宅をベースにした総合相談機能を実施している母子寡婦団体などを追加調査した。特に、離婚前相談を重視する支援団体が少ない。また、養育費確保支援や面会交流支援は離婚前に協議しておく方が望ましいが、支援が進んでいないことが明示された。こうした知見をもとに、2024年度の母子家庭の母親に対するアンケート調査の項目設定を行い、アンケート協力自治体との協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度はコロナ禍で計画が遅れていたが、2023年度は母子家庭の母親に対する質問紙調査の準備がほぼ整った。また、母親へのインタビュー調査も協力団体との事前打ち合わせができ、2024年度に実施予定となる。専門職サイドに起因する要因を分析するための母子自立支援員のインタビュー調査についても現在協力自治体との打ち合わせを実施している。引きつづき、先駆的なNPO団体や当事者団体との調査協力により団体へのヒアリング調査は予定どおり進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度に母子家庭の母親への質問紙調査を実施する予定である。二つの自治体から調査協力を得ている。配布数も当初の計画どおり1200配布できる予定である。また、母親を支える窓口はワンストップの方が良いが、提供するサービスは多岐にわたる。そこで、母子を支えるサポートネットワークについて検討する。具体的には、母子を支えるネットワークを形成している先駆的な団体へのヒアリング調査を実施する。
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Causes of Carryover |
2024年度に2つの自治体においてひとり親家庭を対象にした質問紙調査を実施する。対象世帯数は1800世帯を想定している。質問紙の配布、回収、データ入力等に使用する予定である。さらに、ひとり親世帯に対するインタビュー調査や支援を実施する団体へのインタビュー調査を予定している。
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