2022 Fiscal Year Annual Research Report
ディーセントワークを実現する障がい者主体の参加型職場改善プログラムの開発
Project/Area Number |
22K02027
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Research Institution | The Ohara Memorial Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
佐野 友美 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 研究員 (70782548)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 参加型職場改善 / 労働安全衛生 / 障がい者就労支援 / ディーセントワーク / 産業保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、知的・発達障がい者が就労を通じて成長し主体的に仕事に取り組むことを可能にする具体的な対策支援に焦点をあてた、職場改善を支援する支援プログラムを開発し障がい者主体の職場改善実現を目的とした。
2022年度は1. 障がい者が働く職場に必要な対策の整理、2. 障がい者主体で進める職場改善支援プログラムの要件の整理・開発を進めた。障がい者就労支援に先進的に取り組む職場を対象に、指導員・障がいを持つ従業員へのヒアリング・現場訪問を実施した。支援プログラムについては、集中力を維持するための時間管理と、自由な意見表出が要点とされた。具体的には、「プログラムを手順毎に分割して実施」、「イラスト・現場事例写真の活用」、「間違えても否定されないグループ討議」、「簡単に対策を選択できる支援ツール」等、が重要と認められた。これらの結果をもとに、参加型職場改善の手法を取り入れた、支援ツール・プログラムを作成し、協力職場(指導員2名、障がいを持つ従業員7名)での現場応用を進めた。職場改善は3回(120分/回)に分けて実施し、「整理整頓」「清掃業務の進め方」「同僚・指導員への相談方法」等、日ごろの業務・コミュニケーションに関する対策が障がいを持つ従業員により提案・実施された。実施後、参加者に、支援プログラム実施の主な効果についてヒアリングを行った。「全員が主体的に参画」「参加者同士の交流」「参加者による自主的な役割分担」「業務・安全衛生に対する理解・対策への意欲向上」等が挙げられた。支援プログラムについては、「対策に焦点をおいた内容」「自由に発言できる雰囲気」「意見が出しやすい支援ツール」が評価された。また、「思い出し・考えるのための時間の確保」「緊張をほぐす工夫(休憩中の交流、内容に関連するゲーム等)」「司会者の役割(具体的な質問、現場事例にひきつけた説明等)」が要点であることを確認できた。
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