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2022 Fiscal Year Research-status Report

障害福祉分野で働くソーシャルワーカーによる「日常生活での具体的支援」の理論化

Research Project

Project/Area Number 22K02037
Research InstitutionFukuoka Prefectural University

Principal Investigator

鬼塚 香  福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (60735992)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsソーシャルワーカー / 精神保健福祉士 / グループホーム / 日常生活支援のなかの専門性 / 専門性を伝える難しさ
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、わが国の障害者福祉分野におけるソーシャルワーク実践のなかでもクライエントの日常生活支援で用いる知識や技術について、デンマークのペタゴーによるクライエントの日常生活支援と比較検討しながら、理論化することを目指している。
2022年度は、研究の開始にあたり、日本社会福祉学会が定める研究倫理指針に従い、所属先である福岡県立大学人間社会学部倫理審査部会による審査を受け、承認を得た。調査については、デンマークにおける現地調査およびインタビュー調査を予定していたが、先方と研究者の日程調整がスムーズに進まなかった。そこで、デンマークにおける調査を延期し、先に国内の障害者グループホームに勤務するソーシャルワーカー(国家資格有)へのインタビュー調査を開始した。
インタビュー調査の結果、現時点で明らかになったのは次のことである。グループホームに勤務するソーシャルワーカーは自らが行うクライエントの日常生活支援について、ソーシャルワーカー以外と同様の内容だとしても、声かけの意図や相手の反応、支援の見通しを意識しながら行っていることが分かった。また、グループホーム以外の支援者はクライエントの日常生活の様子について情報を求めており、情報提供・共有の役割を果たすグループホームで働くソーシャルワーカーは支援ネットワークのなかでも重要な役割を担っていることを実感していた。これらのことから、グループホームで働くソーシャルワーカーの日常生活支援について、ソーシャルワーカー自身は専門性を自覚していることが分かった。しかし、その専門性が他者にも伝わっているという実感はなかった。
つまり、ソーシャルワーカー自身は日常生活支援のなかにソーシャルワークの専門性を自覚しているが、それを他者に伝える・他者と共有するということになんらかの課題があるのではないかという仮説が立ってきた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初計画では、先にデンマークでの現状を把握したうえで、国内での調査を計画する予定であった。しかし、デンマークでの調査を実施することができず、ペタゴーの日常生活支援の専門性について、その実態を明らかにすることができていない。
また、国内でのインタビュー調査を開始したが、その数は十分とは言えない。これからあと数人にインタビュー調査を実施し、グループホームに勤務するソーシャルワーカーが考えている日常生活支援の専門性の内容や、それをグループホーム以外に勤務するソーシャルワーカーやソーシャルワーカー以外とどのようにどの程度共有できているか、共有の際の課題などを明らかにしていく必要がある。さらに、デンマークでの調査の結果が、国内でのインタビュー調査にも影響を与える可能性があるため、実施後にどのような調整を行うかも検討の必要がある。

Strategy for Future Research Activity

国内でのインタビュー調査については、すでに数名のソーシャルワーカーに協力依頼をするよう準備を進めている。このインタビューを2023年夏までに実施する予定である。インタビューの結果から、国内の障害者福祉分野で働くソーシャルワーカーの日常生活支援に含まれている専門性の現状と課題について明らかにしたい。
また、デンマークでの調査の実施についても現在、調整を依頼中である。国内でのインタビュー調査の結果をデンマークのペタゴーに伝え、デンマークでの現状について聞き取りを行う予定である。
上記2つの調査が終了したら、結果の比較検討を行い、わが国のソーシャルワーカーの日常生活支援のなかにある専門性を他者に伝えたり共有したりするための言葉を仮設定していく。それらの妥当性を検討するために、ソーシャルワーカーやソーシャルワーカーと一緒に働く支援者たちに協力を求める予定である。

Causes of Carryover

2022年度にデンマークでの調査を計画していたが実施できなかったため、旅費と人件費等の支出がなかった。デンマークでの調査は2023年度に実施する予定で現在調整中であるため、実施の際の旅費と人件費等に支出する。2023年度は、国内でのインタビュー調査を実施する計画で予算計上しているため、そちらも執行し、国内・国外両方の調査を進めていく予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Presentation (2 results) Book (2 results)

  • [Presentation] シンポジウム「筑豊の炭鉱閉山期『筑豊の子供を守る会』の活動を振り返る」2023

    • Author(s)
      犬養光博・黒沼宏一・櫻井秀教・鬼塚香
    • Organizer
      令和4年度福岡県立大学公開講座Ⅱ
  • [Presentation] シンポジウム「ソーシャルペダゴジーの国際的動向からその日本への導入の意義と方法を考える」2022

    • Author(s)
      森茂起・TrineVillemoes・鬼塚香・松本幸治
    • Organizer
      子ども虐待防止学会第28回学術集会福岡大会
  • [Book] 「筑豊の子供を守る会」関係資料集成第1回配本2022

    • Author(s)
      『「筑豊の子供を守る会」関係資料集成』編集委員会
    • Total Pages
      1621
    • Publisher
      立花出版
    • ISBN
      978-4-86617-179-1
  • [Book] 「筑豊の子供を守る会」関係資料集成第2回配本2022

    • Author(s)
      『「筑豊の子供を守る会」関係資料集成』編集委員会
    • Total Pages
      1618
    • Publisher
      立花出版
    • ISBN
      978-4-86617-184-5

URL: 

Published: 2023-12-25  

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