2022 Fiscal Year Research-status Report
介護保険サービス提供における営利法人の実態分析-公私関係の視点から-
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22K02053
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
石田 慎二 帝塚山大学, 教育学部, 教授 (30342265)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 営利法人 / 介護保険サービス / 公私関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、公私関係の視点から介護保険サービスを提供する営利法人の特徴を明らかにすることである。そこに至るプロセスにおいては、(1)厚生労働省の刊行物などを分析し、介護保険サービス提供における営利法人の参入の実態を明らかにする、(2)実態調査により公私関係の視点から営利法人の介護保険サービス提供の実態を明らかにする、2つの目的を包含している。2022年度は、上記の(1)の介護保険サービス提供における営利法人の参入の実態を明らかにした。 サービス別の営利法人の参入状況を整理した結果、営利法人の参入が進んでいるサービスとそうでないサービスがあることを明らかになった。これらを分類すると、①高群(75%以上)、②中群(25%以上75%未満)、③低群(25%未満)の3つに分けることができる。高群は、居宅サービス事業所の福祉用具貸与と特定福祉用具販売、地域密着型サービス事業所の地域密着型通所介護で、制度創設当初から高い割合となっている。中群は、居宅サービス事業所の訪問介護と訪問入浴介護、通所介護、特定施設入居者生活介護、訪問看護、地域密着型サービス事業所の地域密着型特定施設入居者生活介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護、そして居宅介護支援事業所である。低群は、居宅サービス事業所の短期入所生活介護と通所リハビリテーション、そして地域包括支援センターである。 また、地域別の営利法人の参入割合を整理した結果、福祉用具貸与、特定福祉用具販売を除き、営利法人の参入が進んでいるサービスのいずれも営利法人の参入割合は都道府県によって大きな差があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は当初の予定通り、介護保険サービス提供における営利法人の参入の実態をある程度明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、2022年度から2024年度までの3年計画で実施している。2023年度は、前年度に明らかにした介護保険サービス提供における営利法人の参入の実態を論文としてまとめる。また、当初の予定通り、前年度の研究成果をもとに質問紙の作成など調査設計を行い、営利法人の介護保険サービス提供に関するアンケート調査の実施・分析を行う。2024年度は、アンケート調査の結果を報告書にまとめるとともに、研究の成果について学会発表・論文にまとめる作業を通して、公私関係の視点から介護保険サービスを提供する営利法人の特徴、今後のあり方について考察する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で参加を予定していた学会がハイブリッド開催となり、感染予防対策の観点からオンライン参加したため、予定していた学会参加旅費の使用の必要がなくなり次年度使用額が生じた。
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