2022 Fiscal Year Research-status Report
児童虐待軽減のための乳児院を中心とした包括的地域ケアシステムの構築に関する研究
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22K02057
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart College |
Principal Investigator |
益満 孝一 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 教授 (40296372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹山 なつき 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 講師 (30849823)
赤間 健一 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (40469078)
稲富 憲朗 福岡女学院大学, 人間関係学部, 講師 (60636611)
潮谷 恵美 十文字学園女子大学, 教育人文学部, 教授 (70287910)
猪谷 生美 佐賀大学, 医学部, 講師 (70331808)
松元 理恵子 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 教授 (20795687)
茶屋道 拓哉 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (10412785)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 乳幼児総合支援センター / センター拠点機能 / 小規模養育支援機能 / 要保護児童等予防的支援機能 / 一時保護機能 / 親子関係構築支援機能 / フォスタリング機能 / アフターケア機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、乳児院を中心とした包括的地域ケアシステム構築をめざす上で、①乳児院から乳幼児総合支援センター(以下,乳幼児センター)への移行課題と現状、②乳幼児センターの役割と機能、③市町村子育て短期支援事業(以下、子育て支援事業)との連携のあり方について明らかにする研究である。乳幼児センターの7機能として、①小規模環境の養育者と課題を抱えた子どもの双方を支援する小規模養育支援機能,②要保護児童等予防的支援機能,③一時保護機能,④親子関係構築支援機能,⑤フォスタリング機能,⑥長期予後の評価・支援を退所児の居住する市区町村との協働で展開するアフターケア機能,さらに,これら全てを統括し質的向上を図る基盤としての⑦センター拠点機能を本研究では重要な機能として位置付けて研究を行った。 本年度は先行研究として一時保護機能、フォスタリング機能を中心に整理を行った。例えば,「乳児院の一時保護における役割と機能に関する調査」のデータをもとに、乳児院の一時保護機能に関する尺度として、①一時保護の受け入れ時の困難状況とリスク回避尺度、②一時保護の受け入れ後尺度、③親子関係調整尺度、④児童相談所との連携尺度、⑤一時保護児の受け入れ尺度、⑥諸機関との連携尺度の各尺度について検討が行えた。 また,この7機能を担う中核の人材として,乳児院の親子関係構築支援機能を担う家庭支援専門相談員,フォスタリング機能を担う里親支援専門相談員,一時保護機能を担う一時保護担当職員等がある.その中で「一時保護担当職員調査」のデータをもとに、①一時保護担当尺度,②一時保護担当時の経験頻度尺度,③一時保護児への関わり尺度の各尺度について検討が行えた。 これらの実績をもとに,他の機能についても研究を推進したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の拡大もあり,対面での研究活動が難しかったことによる。インターネットを活用する情報機器を整備し、オンライン会議などを行った。また,Wi-Fiのない環境の情報環境に対応できるようにWi-Fiルーターのレンタルもできるようになったこともあり,学内外での研究の推進が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
乳幼児総合支援センターの小規模養育支援機能、要保護児童等予防的支援機能、一時保護機能、親子関係構築支援機能、フォスタリング機能、アフターケア機能、センター拠点機能の7機能のうち,一時保護機能,フォスタリング機能の2機能は,尺度開発についてのめどができた。残りの機能についても,先行研究などをもとに実証的研究の推進を行いたい。 OpenAI による人工知能チャットボットChatGPT(Generative Pre-trained Transformer)を活用して、調査デザイン、調査項目などの再検討を行う。また、データサイエンスの科目担当となったこともあり、ビジュアル分析プラットフォームの Tableauを用いた研究成果のまとめ方についても検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,繰越金(384,132円)のうち,分担分が約70%である.代表者は,所要額70万のうち,約10万円が繰越となっている.新型コロナ感染症の影響もあり,海外(韓国)での発表ができなかった.分担者の分担金がおおむね5万以下であり,新型コロナ感染症の影響もあり,Zoomでの研究協議を行い研究などの旅費などが支出できなかったことによる.次年度は,海外などの発表も含め,調査研究を行う予定である.
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