2022 Fiscal Year Research-status Report
Verification of the effectiveness of inter-regional exchange programs through DX activities in a mountainous area
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22K02071
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
坂本 泰伸 東北学院大学, 教養学部, 教授 (60350328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 圭 東北学院大学, 地域連携センター, 特任准教授 (40770532)
千葉 真哉 東北学院大学, 地域連携センター, 特任准教授 (70911387)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中山間地域振興 / 高齢者 / 情報リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中山間地域において地域住民の情報リテラシー能力の向上に係る活動によって、地域としての情報発信能力が向上し、その結果として、外部との交流人口が現実空間・仮想空間で増加するかを明らかにしていくことである。本研究では、研究の対象地域に岩手県奥州市北股地区を設定し、この地域での活動を進めている。 研究期間1年目となる2022年度は、研究グループ内部で7回の打ち合わせを実施し、当該地区での研究の進め方に関する計画を立案しながら、当該地区の北股地区センターとも計11回(リモート会議形式3回:対面形式:8回)の会議を開催し、実証実験のフィールドとなる地域での実施体制や実施内容について、最終的な合意形成を進めた。 このような合意形成を経て、北股地区に居住する住民の情報通信環境を調査することを目的とし「北股地区情報通信利用調査」を実施した。この調査では、北股地区の対象世帯132世帯(令和4年9月奥州市住民基本台帳ベース)に対して調査用紙を配布し、98世帯(74.2%)からの回答を得た。この調査から、スマートフォンの所有率は全国平均(88.6%)や岩手県平均 (80.3%)と比較するとやや低いが、回答者の約6割が所有しており、SNSの利用率については年代が上がるほど利用率が低下していることや、SNSを使用しない主な理由として「セキュリティの懸念」や「きっかけがない」ことなどの理由を明らかにしている。また、SNSの利用については、 LINE の使用割合や頻度が高く、コミュニケーションツールとして利用されていることが判明した。また、当該住民の多くがSNSの効果を実感しつつも「個人情報」やセキュリティに関する不安を持っていることが明らかになってきた。これらの結果は、2023年3月19日に実施した現地報告会において、当該地域の住民とも共有が図られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも述べたとおり、本研究では研究の対象地域に岩手県奥州市北股地区を設定した。研究グループでは、十分な打ち合わせから当該地区での研究の進め方に関する計画が確立されている。また、当該地区の北股地区センターとも計11回(リモート会議形式3回:対面形式:8回)の会議を開催し、本研究の当該地域における実施体制や実施内容について合意形成が図られている。このような合意形成を経て、北股地区に居住する住民の情報通信環境を調査することを目的とした「北股地区情報通信利用調査」を実施し、これらの結果を、2023年3月19日に実施した現地報告会において当該地域に居住する住民と共有が図られている。 このように、本研究で実施する予定の「中山間地域において地域住民の情報リテラシー能力の向上に係る活動」に必要となる調査の一つが終了している。一方で、地域住民の情報リテラシーの評価軸の設計やその調査に関しては十分に進んでいるとは言えない部分もある。 このような現状から、本研究はおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究において、本研究の対象地域である岩手県奥州市北股地区で、居住する住民の情報通信環境の調査を既に完了しており、研究の進捗状況に大きな課題は発生していない状況である。研究の2年目に当たる2023年度は、この調査結果を踏まえながら、当初の研究計画に従って(1)地域住民の情報リテラシーの評価軸の設計(2)地域住民に対する情報リテラシー能力の向上のための講習会(3)開発した評価軸を用いた地域住民の情報リテラシー能力の測定(4)住民の情報発信頻度の測定方法に関する調査・立案(5)外部交流人口の測定方法に関する調査・立案を進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究初年度となる2022年度に計画されていた項目のうち、当該地区の北股地区センターとの計11回における会議のうち、3回分がリモート会議形式で実施されたことや、現地での実施が予定されていた「中山間地域において地域住民の情報リテラシー能力の向上に係る活動」が、コロナ禍の影響を受けて次年度に実施することになったため、物品費及び旅費を中心として、次年度使用額が生じた。 【今後の研究の推進方策】で述べたとおり、2023年度には「中山間地域において地域住民の情報リテラシー能力の向上に係る活動」の実施が予定されるため、次年度使用額についてはこれに用する計画としている。
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