2023 Fiscal Year Research-status Report
保育政策が地方の人口減少に与える影響と「持続可能な保育政策モデル」に関する研究
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22K02083
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Research Institution | Osaka Aoyama University |
Principal Investigator |
黒澤 祐介 大阪青山大学, 子ども教育学部, 准教授 (40633631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 良典 京都大学, 人と社会の未来研究院, 教授 (80282440)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 保育政策 / 人口動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、地方自治体の保育政策の事例について、質的調査(フィールド研究・仮説生成)、量的調査(実証研究・仮説検証)の2側面から研究を行った。 質的調査に関しては、昨年度に引き続き、地方都市で人口減少をゆるやかにさせていく効果を発揮している先駆的な保育政策を整理・分析することで、「都市・地方共存型社会」をめざすための「持続可能な保育政策モデル」の仮説の考案を行った。また、藤枝市等への調査および、各地の行政データを収集、検討し、各自治体の人口増減や出生率、女性の就労率などのデータと、質的研究から得られた「持続可能な保育政策」の仮説モデルを構成する要因との関連について分析を行い、保育政策が自治体の人口動態や女性の就労率等に与える影響、保育政策が市町村の人口動態へ与えうる要因の検討を行った。 調査研究からは、人口動態への影響には保育政策のみならず、行政の都市計画や、民間による商業・宅地開発事業などとの関連も見られ、それらの都市開発の計画と市町村による保育政策の関連についても看過することはできず、さらなるデータ収集が必要であることが明らかになっている。 一方で、量的調査においては、市町村内においても人口移動の偏りがみられることから、調査対象の枠組みを地区単位の地域レベルも射程に入れていくことが必要性となり、調査対象市町村と地区単位でどのような資料やデータを扱うことができるのかについて協議・検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査を進める中で、追加のデータの収集が必要となり、令和5年度に予定していた量的調査の実施を、令和6年度に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度までの研究において、研究当初に予定していた主に行政関連以外の要因との関連が明らかになってきており、追加のデータ収集を行っていく。 さらに、市町村内でのより小さい地区単位のデータを収集していき、市町村内での人口動態と保育政策との関連の分析について精緻化を行っていく予定である。 また、これまでの資料分析、特定の地域でのフィールド調査から明らかにしてきた、保育政策と人口動態との関連の仮説について、令和6年度は全国的な調査を行い、検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
令和5年度に予定していた量的調査が、令和6年度の実施に変更したため。
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