2023 Fiscal Year Research-status Report
熱中症発症予防を目指した体温調節・高温検知可能なウェアラブルテキスタイルの創製
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22K02136
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
朱 春紅 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (80773100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
施 建 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (40735867)
森川 英明 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10230103)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スマートテキスタイル / 温度調節 / ナノファイバーカバーリング糸 / 相転移材料 / 芯鞘構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は熱中症発症予防を目指した着用可能な、自動的体温調節できる複合糸の新規創製、および糸からなる快適なウェアラブルテキスタイルの開発方法を提案し、その設計手法を確立することを目的とする。 これまでは相転移材料を用いた複合糸の開発方法の確立について検討を行った。そこで、紡糸電圧を8、10、12、14、16、18 kV、紡糸速度を0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4 mL/h、および針からコレクタの距離を65、70、75、80、85、90 mmの各条件において、ナノファイバー複合糸を作製した。評価した結果、ナノファイバーの繊維径が細くて均一な紡糸条件を明確にした。 本年度は該当複合糸の評価及び複合糸からなる織物に対する評価を行った。そのうち、複合糸の引張特性、洗濯耐久性、耐摩耗性を有することが評価できた。また、示差走査熱量計(DSC)を用いて、作製した糸のエンタルピーを評価することができた。さらに、複合糸から織物を作製し、赤外線サーモグラフィーを用いて、加熱板の温度の上昇とともに織物の表面温度を評価した。その結果、VO2を含有する複合糸から作製した織物はVO2なしのサンプルより10℃前後の温度上昇を抑制できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
サンプルの作製パラメータの検討が予定より進んでいたため、今年度のサンプルに関する評価も計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、1年目、2年目の研究成果より、複合糸を用いて生地の作製、および一部の評価ができたため、今後はさらなる評価及びメカニズムの検討を行う。 そのほか、最終年度として、本研究のまとめを行い、パーソナル熱管理用スマートテキスタイルの作製方法や評価方法についてまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
【理由】 当初計画で見込んだよりも安価に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。 【使用計画】 令和6年度請求額と前年度未使用額をあわせて温度調節機能を有するスマートテキスタイルの作製と評価について必要な装置、材料、試薬などを購入する予定である。また、学会発表のための旅費、学会参加費などに使用する予定である。
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