2022 Fiscal Year Research-status Report
アミラーゼ分泌酵母の発酵に関わる機能解析と豊かな食文化への食素材構築
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22K02142
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
田村 倫子 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (60451845)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 転写調節因子 / アミラーゼ / グルコース制限培地 / H. burtonii / 酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
和食文化を代表する発酵食品には、デンプンを資化できる微生物が寄与し風味やテクスチャーの形成に関わっている。申請者の所属する研究室ではネパールの餅麹からHyphopichia burtonii という酵母を単離したが、H. burtoniiは酵母ではめずらしくa-アミラーゼを菌体外に産生する。この際、a-アミラーゼ遺伝子の発現調節に関わる転写調節因子が大きくかかわるので、これらを同定するとともに、この機構のシグナリング経路を明らかにし、新たな食材の開発を元に我が国の食文化の発展とその根幹となる科学的知見を明らかにする事を目指している。 本年は転写調節因子の候補因子であるMIG1-1,MIG1-2,SUC1をクローニングした。またMIG1-2においてはプロモーター結合因子と予測される部位を欠損させた変異配列も獲得した。これらをH. burtoniiの標準株の塩基配列と比較すると100%一致した。そこでタンパク質発現用のベクターに導入した。 さらに、候補因子が真に転写調節因子であるかどうかの確認のためのアッセイに必要である核タンパク質の抽出も試みた。小スケールでの実験がうまくいったため、大スケールで実験できる見通しがついた。 一方、デンプン培地(グルコース制限培地)とグルコース培地とでH. burtoniiを培養した際の、アミラーゼの活性およびmRNA発現量の測定も試みた。両方のデータともばらつきがあり数度やり直したが、現在は統計処理による有意差検定をおこなえる程度のデータを得つつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に行おうと計画した、①転写調節因子のクローニング②転写調節因子プロモーター結合アッセイ系の準備③グルコース制限培地における転写調節因子およびアミラーゼの発現試験の3つをすべて行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目がおおむね順調であったため、2年目はタンパク質精製、転写調節因子プロモーター結合アッセイを行う。タンパク質発現促進と精製は大腸菌を用いる予定であるが、精製の様子や量により、菌種のアレンジも考慮に入れる。アッセイ系自体がうまくいかなかった際には、候補因子が真の転写調節因子であるかどうかの検証方法を、「リン酸化の有無」などの手段に変更することも視野に入れる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額13074円は、制限酵素を購入しなかったため残額として生じた。制限酵素はすでに研究室にあったものを使用した。次年度は制限酵素の使用期限が切れ、制限酵素自体も量が少ないため、購入する予定である。
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