2023 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Practical Situation and Effective Development Method of Nutrition Education Using School Meals as Teaching Materials for Nutrition Teachers
Project/Area Number |
22K02145
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
饗場 直美 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 特任教授 (50199220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 雅代 女子栄養大学, 付置研究所, 客員教授 (30413066)
榊 順子 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 教授 (50806586)
福本 隆司 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (80772912)
三宅 理江子 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 准教授 (90718975)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 栄養教諭 / 学校給食 / 食育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、昨年度に引き続き給食におけるICTを活用した食に関する指導を実践するために、研究参加している各地域(5県)の栄養教諭を対象として、動画作成のための基礎的技術の研修を実施した。ICTを活用した毎日の継続的な食の指導を実践し、児童生徒に印象に残る動画作成を目指して、これまでに実施していた給食時の食に関する指導の指導案に基づいて動画作成に向けた絵コンテの作成及び動画編集法について演習を行い、各県の指導案に基づいた給食時の食に関する指導のための動画を製作した。 滋賀県においては、児童の食塩摂取に関するアンケート調査を事前に行い、その結果に基づいて学級活動の時間に減塩に関する授業を行った。授業の際のワークシートをもとに児童の減塩に関する学びをテキストマイニングによって抽出し、そのキーワードをもとに児童の学びを行動変容に結びつけることを目的とした動画5本を製作し、給食時の継続的な食の指導につなげた。 鹿児島県では、小学校において担任と協力しながら噛むことについてこれまで実施してきており、児童の咀嚼指導方法について検討してきた。今年度は教員を対象として、噛むことに関する指導についての意識や実態についてアンケート調査を実施した。その結果、教員はよく噛んで食べることは大切であると認識し、自らがよく噛んで食べている教員はよく噛んで食べることを指導できていたが、限られた給食時間の中で、マナーや衛生、残さず食べる等についての指導を優先しており、一部の教員は家庭で行うべき内容と考えていた。教員の負担を軽減するためにも、ICT教材の活用や給食の指導体制の見直し、家庭との連携についての検討が必要であると確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、対面での研修が実施できる状況になり、研究参加している各地域(5地域)での、動画作成のための研修を対面で実施することが可能となり、計画に従って研究を進めることができた。しかしながら、コロナ禍の数年間は対面での研究打ち合わせができなかったことから、3つの地域において研究実施への方向性が不明確になり、研究実施が遅れ、全ての地域での動画作成の研修に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、現在各地域で進めている給食時における食に関する指導のための動画作成を進め、各地域での動画の共有化を図るため、動画内容について再検討と調整を行い、共通食育動画としてデータベース化を試みる。研究実施が遅れている地域においては、再度研究の方向性について検討を行い、ICTを用いた食に関する指導の動画を作成するための研修を実施する。 また、2024年1月に給食時間における児童の窒息事故が発生したことを受け、学校給食時における児童の安全確保が社会的課題として急浮上してきている。児童が事故なく安全に食事をするためには、安全に食べられる環境整備(喫食時間の確保、見守り等)と咀嚼教育(急いで食べない、しっかり噛んでおいしく食べる等)の2面からのアプローチが重要である。我々はこれまでによく噛んで食べることやおいしく残さず食べる食事の仕方の指導について研究を進めてきているが、安全に児童が咀嚼して食べられるためには、環境整備も重要であると考える。食に関するする指導時間の確保や児童生徒の喫食時間の確保は給食時間のマネジメントに関する内容であり、学校給食の時間配分について調査研究を開始する予定である。この給食時間マネジメントの研究は、学校のインフラ設備やカリキュラム等が大きく影響することから、幅広い調査を行い、食事時間確保に係る要因を洗い出し、食に関する指導時間の適正化についての検討を進める。
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Causes of Carryover |
2023年度におけるICTを活用した食に関する指導のための動画作成のための研修会の開催する予定でいた地区(8県)のうち、3地域において進捗状況の遅れの為未実施となったため残額が生じた。 2024年度に、研究の遅れが生じている3地域のうち、2地域において研究内容の見直しのための打ち合わせを再度行い、研究の方向性を再調整するとともに、ICT研修を実施可能な地域において研修会を開催する予定でいる。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] 学校全体で噛むことに関する指導を推進・充実させるための方策2023
Author(s)
土元麻未, 吉田三千代, 鎌田理恵, 宮崎律子, 小野真優子, 中西智美, 児玉むつみ, 中馬和代, 榊順子, 金田雅代, 饗場直美
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Journal Title
栄養教諭食育研究会誌
Volume: 7
Pages: 33-39
Peer Reviewed
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[Journal Article] 児童の食塩摂取への意識と指導の効果2023
Author(s)
猪田志奈, 広田美佐子, 松村陽子, 南井里美, 林美帆子, 廣田愛奈, 成田善祥代, 藤原尚美, 高山理央, 辰巳唯, 隅田美乃梨, 入江駿乃, 金田雅代, 饗場直美
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Journal Title
栄養教諭食育研究会誌
Volume: 7
Pages: 15-20
Peer Reviewed
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[Journal Article] 栄養教諭が行う児童・生徒を対象とした野菜摂取に関する指導の効果2023
Author(s)
臼田典子, 山下由美子, 藤田浩子, 川原昌士, 斎藤七絵, 森田裕代, 永田桂子, 松原恵子, 伊藤裕子, 遠山致得子, 金田雅代, 饗場直美
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Journal Title
栄養教諭食育研究会誌
Volume: 7
Pages: 7-14
Peer Reviewed
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[Journal Article] 学校給食献立の食塩相当量の実態2023
Author(s)
酒井美恵子, 宮岡愛子, 松浦佐代子, 大石ひとみ, 角田まゆ, 片岡由有, 佐伯絵美, 古川あずさ, 岩田緑, 金田雅代, 饗場直美
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Journal Title
栄養教諭食育研究会誌
Volume: 7
Pages: 21-26
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[Presentation] 小・中学生の減塩に関する意識と知識の実態2023
Author(s)
片岡由有, 大石ひとみ, 角田まゆ, 松浦佐代子, 酒井美恵子, 佐伯絵美, 古川あずさ, 宮岡愛子, 岩田緑, 金田雅代, 饗場直美
Organizer
第70回日本栄養改善学会学術総会
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[Presentation] 小学校におけるICTを活用した減塩指導(2)~児童の意識・行動の変容~2023
Author(s)
成田祥代, 廣田美佐子, 松村陽子, 南井里美, 林美帆子, 日高佐緒里, 猪田志奈, 廣田愛奈, 藤原尚美, 高山理央, 隅田美乃梨, 入江駿乃, 金田雅代, 饗場直美
Organizer
第70回日本栄養改善学会学術総会
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[Presentation] 給食の時間における地場産物に係る食に関する指導の実態2023
Author(s)
山下由美子, 川原昌士, 森田裕代, 藤田浩子, 斎藤七絵, 臼田典子, 松原恵子, 伊藤裕子, 遠山致得子, 金田雅代, 饗場直美
Organizer
第70回日本栄養改善学会学術総会
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[Presentation] 小学生の保護者の噛むことを中心とした食育に関する意識と指導の実態2023
Author(s)
榊順子, 中馬和代, 吉田三千代, 宮崎律子, 鎌田理恵, 小野真優子, 土元麻未, 中西智美, 児玉むつみ, 金田雅代, 饗場直美
Organizer
第70回日本栄養改善学会学術総会