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2023 Fiscal Year Research-status Report

ノビレチンによる潰瘍性大腸炎モデルラットによる疾病制御機構の解析

Research Project

Project/Area Number 22K02148
Research InstitutionNakamura Gakuen College

Principal Investigator

太田 千穂  中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (80271435)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 日野 真一郎  中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (00372699)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsノビレチン / ポリメトキシフラボン / 潰瘍性大腸炎 / ラット / in vivo代謝 / 尿中代謝物 / 糞中代謝物
Outline of Annual Research Achievements

デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発潰瘍性大腸炎ラット(DSS病態ラット)を作製し、柑橘果皮由来成分ポリメトキシフラボン類の一種であるノビレチン(NBL)の潰瘍性大腸炎に対する効果を検証することが目的である。
DSS病態ラットにおける低NBL治療群、すなわちNBL (10 mg/kg体重)を、7日間毎日、1回、経口投与を行い、NBL投与後7日間の毎日摂取した後、保存しておいた尿および糞中の未変化体(NBL)およびその代謝物を調べた。その結果、糞中排泄物では、NBL投与後1日目の乾燥糞からNBLは保持時間16.73 minに検出された。この排泄量は2.3 μg/g(投与量の0.7%相当)であった。代謝物は11種類が検出され、総排泄量は76.4 μg/g(投与量の21.7%相当)であった。このうち、今回新たに検出されたNM3(三脱メチル化体)が最も多く排出された(総代謝物量の約30%相当)。LC-MSの結果、新たに二脱メチル化体と三脱メチル化体が検出された。
一方、尿中代排泄物では、NBL投与後1日目(HCl加水分解あり)では、代謝物は8種類が検出され、総排泄量は43.2 μg/mL尿であった。代謝物のうち、M1 (4’-OH体)が最も多かった(総代謝物量の37,1%に相当)。総排泄量は投与量の約20%であった。NBL投与後7日目(HCl加水分解あり)では、主代謝物はM1(4’-OH体、総代謝物量の約40%に相当)であり、総排泄量は投与量の約16%であった。また、抱合体の検索をしたところ、HCl(-)尿中代謝物のHPLC分析では、保持時間9.52 minに検出されたピークをLC-MSで調べた結果、m/z 565[M+H]+が検出されたことから、一脱メチル化体のグルクロン酸抱合体であることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和5年度は、DSS病態ラットにおける低NBLおよび高NBL治療群の連続投与7日間における体内動態試験、すなわち、糞中および尿中におけるNBLおよびその代謝物について分析を行い、初回糞中から未変化体の排泄が1%未満であったことから、NBLのほとんどが小腸から吸収されることが示唆された。また、代謝物の排泄機構として、尿中および糞中への排泄量は同程度であったものの、特定の代謝物については排泄に対して特異性が示唆された。なお、尿中および糞中代謝物の分析解析は現在も継続中である。大腸の形態学解析については、剖検所見にて、解剖時にDSS群において表面の凸凹が散発的に観察されたが、組織学的所見にて粘膜破壊の程度は、現時点で明確な違いが見受けられないことから、継続観察中である。

Strategy for Future Research Activity

令和6年度は、DSS誘発潰瘍性大腸炎モデルラットに対するノビレチンの治療効果(炎症抑制効果)を検証する。免疫学的検査として血清中の標的サイトカイン、すなわち、血清中の血液中の腫瘍壊死因子 (TNF)-α、いくつかのインターロイキンおよびシクロオキシゲナーゼ (COX)-2について、それぞれのELISAキットを用いて、サンドイッチ法により比色定量する。また、昨年度に引き続きノビレチン低用量および高用量治療群の体内動態試験として血液中の未変化体(NBL)およびその代謝物の分布について、HPLCにて測定する。なお、HPLC分析条件は、既報に従って分析する (Koga et al., 2007, 2011)。また、ノビレチン代謝物の同定はLC-MS/MS分析にて確認する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 福岡県産香酸かんきつ木酢(キズ)果皮中のフラボノイド類の分析および果皮抽出液の抗酸化活性2024

    • Author(s)
      太田千穂,杉村果奈,釘丸 萌,古賀信幸
    • Journal Title

      中村学園研究紀要

      Volume: 56 Pages: 69-77

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] ダイオキシン低用量暴露母体の肝薬物代謝第二相酵素活性の変動とポリメトキシフラボノイドのin vitro阻害効果2023

    • Author(s)
      稲次良哉,池田佳乃子,佐野宏江,堤 諒太,太田千穂,古賀信幸,田中嘉孝,石井祐次
    • Journal Title

      福岡医学雑誌

      Volume: 114 Pages: 31-39

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Quercetin pentamethyl ether (QPM) のラットにおけるin vivo代謝2023

    • Author(s)
      太田千穂,杉村果奈,木村 治,藤井由希子,原口浩一,加藤善久,古賀信幸
    • Organizer
      第77回日本栄養・食糧学会大会
  • [Presentation] ダイオキシン低用量母体暴露による児の発育障害:ポリメトキシフラボノイド ノビレチンによる成長ホルモン回復と障害の改善2023

    • Author(s)
      火山稜斗,陳 宏斌,太田千穂,古賀信幸,田中嘉孝,石井祐次
    • Organizer
      フォーラム2023:衛生薬学・環境トキシコロジー
  • [Presentation] 柑橘成分シネンセチンの肝チトクロムP450 (CYP) による代謝2023

    • Author(s)
      杉村果奈,釘丸 萌,古賀信幸,太田千穂
    • Organizer
      2023年度(公社)日本栄養・食糧学会 九州・沖縄支部および(一社)日本家政学会九州支部合同大会
  • [Presentation] ラット肝およびモルモット肝ミクロゾームによる3,5,7,3’,4’,5’-Hexamethoxyflavone (HexaMF) の代謝2023

    • Author(s)
      釘丸 萌,杉村果奈,古賀信幸,太田千穂
    • Organizer
      2023年度(公社)日本栄養・食糧学会 九州・沖縄支部および(一社)日本家政学会九州支部合同大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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