2022 Fiscal Year Research-status Report
International comparative study on factors associated with food literacy
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22K02155
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大森 桂 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (50344784)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食育 / リテラシー / food literacy |
Outline of Annual Research Achievements |
2005年の食育基本法制定以降、食育は国民運動として展開されながら、その効果を示す客観的根拠に未だ乏しく、大きな課題となっている。食生活が極めて多様化している今日、狭義の栄養教育にとどまらない、自己および社会にとってより良い食生活を自ら創造するために必要な資質・能力の総体「フードリテラシー」の育成が極めて重要と考えられる。しかし、国内において、フードリテラシーの概念自体、未だ浸透しておらず、フードリテラシーを育成するための効果的な食育方法の開発も依然として遅れている。本研究は、食育の効果を上げるためにはどのような社会的および個人的支援が必要であるかを示すエビデンスを得ることを目的とし、世界初のアジアと欧米の比較研究を実施し、人々のフードリテラシーに関与する因子を多面的に明らかにすることをめざす。 1年目のR3年度は、主に以下を実施した。フードリテラシー研究のレビューの結果から、フードリテラシーに関与する因子として、健康・栄養的側面の他、特に今日的課題として、食品ロスや地産地消、DX等の社会・経済・文化的側面を考慮した質問項目について検討した。また、フードリテラシーに関与する因子の国内外の特性や類似点を整理・把握し、国内外で共有するため、日本の食育に関する教材を企画・開発した。留学生等の予備調査対象の獲得が難航し、調査は来年度以降に実施する予定。一方で、国内小学生を対象としたフードリテラシーの育成に関する実践結果を学術論文としてまとめ、成果を報告した。あわせて、2年目に向けて、カナダに事務局を置くフードリテラシーの育成に関する研究・実践の国際組織と連携し、国際比較研究のための打ち合わせを継続的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連因子の調査が広範に及び、系統的な整理により多くの時間が必要になったことと、コロナ禍の影響が依然として続き、留学生等の予備調査対象の獲得が難航したため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍を経てオンラインあるいは対面での国際交流も復調しつつあり、留学生への協力依頼を拡充すると同時に、海外視察や国際学会活動を通じて、国際比較調査の協力者を精力的に募る。新たに、フードリテラシーに関する国際研究機関とも連携し、視察や調査の実施体制を強化する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で留学生等の調査対象者の十分な確保が困難となり、予備調査が実施できなかったため。次年度には留学生数が回復傾向にあることに加え、自学部だけでなく他学部および他大学の留学生等にも対象を拡大すること等検討する。
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Research Products
(7 results)