2022 Fiscal Year Research-status Report
触感の発現プロセスを考慮した繊維製品の触感シミュレーション
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22K02158
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
堀場 洋輔 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (00345761)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 触感 / 繊維製品 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、触感の発現プロセスの一部をシミュレーションで再現し、布に触れた際に生じる触覚受容器周辺のひずみエネルギー密度を算出し、触感の官能検査結果との対応関係を検証することで、繊維製品の触感をシミュレーションで推定可能なのかを明らかにすることを目的としている。計画の初年度である2022年度には、主に以下に示すように、モデルの構築と、それを用いた接触シミュレーションを実施した。 繊維製品と皮膚の接触状態をシミュレーションで解析するために、手指とテキスタイル(織物)をモデル化した。手指については、表皮、真皮、皮下組織を再現した2次元モデルを作成した。一方、織物については、シミュレーションを簡略化するために平織組織を対象とし、織物を構成する糸の直径と糸間の間隔(ピッチ)が異なる複数の2次元モデルを作成した。以上のモデルを用いて手指で織物を擦った状態について接触解析を実施し、小さな凹凸の検知に関与すると言われている皮膚の触覚受容器であるマイスナー小体周辺におけるひずみエネルギー密度(SED)を計算した。その結果、SED の周波数分布において、擦り動作の周波数に対応する成分と擦り動作の際の手指の押込量に相関関係があることや、糸間ピッチの増加により擦り動作の周波数に対応するSEDの周波数成分が増加することなどが確認された。これらのSEDの変化が、繊維製品に触れた際の触感とどのように関係するのか、2年目・3年目の研究で調査を行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、当初の計画に従い、シミュレーションによる繊維製品と皮膚の接触状態の解析を実施することが出来たため、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、研究計画の変更の必要性や研究を遂行する上での大きな課題は生じていないため、引き続き研究計画に従い、研究を推進する予定である。具体的には、上記のシミュレーション条件と同一の条件で繊維製品の触感の官能検査を実施する。そして、シミュレーション結果と官能検査結果の相関性を分析し、繊維製品と皮膚の接触シミュレーションにより、触感を推定することが可能なのか明らかにする予定である。
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