2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の在宅居住継続を支える近居親子世帯の生活共同化と居住環境
Project/Area Number |
22K02163
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
王 飛雪 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 客員研究員 (30833074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小伊藤 亜希子 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (90257840)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近居親子世帯 / 高齢親世帯 / 生活共同化 / ライフスタイル / 高齢者サポート |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化の進行とともに団塊の世代が「後期高齢者」となる大介護時代に突入する一方で、高齢者のみ世帯が一般的になる中、在宅居住の継続が大きな課題となっている。今年度は、高経年かつ居住者の高齢化が進む郊外住宅団地において、高齢者の在宅居住継続を支える近居親子世帯の生活共同化と居住環境を解明するため、高齢者世帯を対象にしたアンケート調査に加えてインタビュー及び住宅調査を行い、住環境改善経歴と近居子世帯との生活共同化の実態に関するデータを採取した。 本調査の目的は、地域社会の支え合い活動や、近居家族の支援が果たす役割に焦点をあてて、エイジング・イン・プレイスを実現するための基礎的資料を得ることである。具体的には以下の3点を明らかにした。①高齢者の住空間や地域生活の実態、②別居子世帯との交流関係から、別居子世帯が高齢者の在宅生活を支えている役割、③高齢者の外出や地域活動への参加状況とその効果。 高経年郊外戸建て住宅地における 65 歳以上のいる世帯の多くが子世帯と近居し、「お互いの顔を見る」「おしゃべり」「会食」等を目的として頻繁に行き来しており、子世帯との時間距離が近いほど日常的交流が多い。多くの高齢者世帯が、近隣の人と挨拶から相互扶助まで様々な日常的な交流関係をもって生活していることが確認された。団地内外の諸活動に参加する高齢者も少なくなく、団地内の諸活動や健康・スポーツ、文化活動には女性の方が、団地外の社会活動には男性の方が参加率が高かった。住み続けるためには、同居、近居の子世帯はとても支えになると認識されており、また近隣の見守りも支えになると思っている人が多いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
郊外住宅団地を対象に全戸配布アンケート調査を行い、在宅高齢者の居住継続における近居家族の役割を明かにすることができた。ただし、調査対象者は高齢者であるため、アンケートの回収率は予想より低い。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート結果を踏まえ、個別ヒアリング調査を実施する。行政自治体と65才以上の団地住民を対象としたヒアリング調査を行い、分析する。結果をまとめて学会で発表する。
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Causes of Carryover |
当初は業者委託によるウエブアンケートを予定していたが、本研究の目的に合致した住宅団地の協力を得られたことから、現地配布と郵送回収アンケートを行うことになったため、アンケート調査費用が予定よりも少なくなった。次年度は、ウエブアンケートも選択肢に近居に関する追加調査を行う予定である。また高経年住宅団地における行政自治体と65才以上の団地住民を対象としたヒアリング調査を行い、その結果をまとめて学会で発表する。
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Research Products
(5 results)