2022 Fiscal Year Research-status Report
ポストコロナ社会を見据えた地域高齢者の生活関連活動の実態と関連因子の解明
Project/Area Number |
22K02171
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
平上 尚吾 兵庫医科大学, リハビリテーション学部, 教授 (60637643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 優 吉備国際大学, 保健福祉研究所, 準研究員 (90726697)
加藤 剛平 東京保健医療専門職大学, リハビリテーション学部, 講師 (60465820)
坂口 雄哉 兵庫医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (30803449)
橋本 絢大 兵庫医科大学, リハビリテーション学部, 助手 (70909134)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 地域高齢者 / 生活関連活動 / 新型コロナウイルス感染症 / 作業療法 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延を契機とした本邦における地域在住の高齢者(地域高齢者)の生活障害に焦点を当てている。地域高齢者は活動自粛によって心身機能のみならず、生活維持の基盤となる掃除や洗濯、買い物のような生活関連活動に支障が生じることが明らかにされつつある。本課題では、withコロナ・ポストコロナ社会における地域高齢者の生活関連活動の実態把握と支援策を検討することに主眼を置いている。 当該年度は、研究分担者とともに、地域高齢者の生活関連活動に関する先行研究の知見を整理し、通いの場等を利用する地域高齢者の生活関連活動の実態について予備的に調査した。アンケートを用いた調査の結果、地域高齢者の社会的活動には、世帯構成や外出頻度の多さ、安全な公園や散歩道など近隣環境が関連していることが明らかとなった。この結果を踏まえ、アンケート回答者の一部の対象者に対して、既存の測定尺度では表現しえない生活の中の困りごとを把握するために、半構造化面接による質的調査を実施した。その結果、単身世帯の者では体力維持活動への意識は高いものの、特に公共交通機関系ICカードの使用やQRコード決済などで困ることが多いことが抽出された。一方、同居者がいる者では、同居者への依存度が高くなり、生活全般で物事に取り組む意欲がわきにくいことが抽出され、現状の地域高齢者の生活関連活動における困りごとは精神面も含め多岐にわたる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主に新型コロナウイルス感染症により、本課題で対象となる地域高齢者に対する事前調査やその実施場所の担当者との調整に遅延や困難が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
地域高齢者の生活関連活動の困りごとに関する調査項目をさらに整理するため、前年度に引き続き、先行研究や通いの場等を利用している地域高齢者を対象として面接やアンケートを用いた質的調査を実施する。その上でそれら困りごとに関する測定尺度を作成し、地域高齢者を対象として調査を実施する方針である。 新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き懸念されるため、研究分担者や研究対象となる現場の担当者との連絡を定期的に行い、状況把握と必要に応じてオンライン等の弾力的な研究実施方法を検討していく。
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Causes of Carryover |
(理由)主に新型コロナウイルス感染症の影響により、研究者間の対面での打ち合わせ、対象者に対する対面での聞き取りや調査に中止や遅延があり、旅費や謝金などに未使用額が生じた。 (使用計画)未使用額については、研究実施に必要となる物品費、旅費、謝金等に充当する予定である。
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